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4月5日にフォレストリー・ラボ中級が開催されました。
今回の講習では、刈り払い機の安全運用に不可欠な
燃料供給系(キャブレター)、動力伝達系(ギアケース)、始動系(リコイルスターター)
の3つの主要機構について、構造理解から分解整備までを体系的に学んでいただきました。
刈り払い機はシンプルな道具に見えますが、内部には精密な機構が組み込まれており、
適切なメンテナンスを行うことで 燃焼効率・作業効率・耐久性・安全性 が大きく向上します。
■ キャブレターの構造と機能
キャブレターは、エンジンに供給する 混合気(空気+燃料)を最適比率で生成する装置 で、
2ストロークエンジンの性能を左右する最重要部品です。
▼ キャブレターの基本構造
キャブレター内部には以下のような精密部品が組み込まれています。
- ベンチュリ(狭窄部):吸気速度を上げ、負圧で燃料を吸い上げる
- メインジェット/パイロットジェット:燃料流量を制御
- ダイヤフラム:燃料ポンプとして機能し、脈動圧で燃料を送る
- ニードルバルブ:燃料室への供給量を調整
- プライマリーポンプ:始動時に燃料をキャブ内へ送る補助機構
これらが正常に作動することで、エンジンは安定した燃焼を維持できます。
▼ キャブレターの種類と特徴
● ロータリーバルブ式
- 回転式バルブで吸気量を制御
- レスポンスが良く、燃費も安定
- ただし内部構造が複雑で、ダイヤフラムの劣化が不調の主因 になりやすい
● ピストンバルブ式
- スロットルバルブが上下動して吸気を調整
- 高回転域の燃焼が安定し、山林作業向けの高負荷作業に強い
- 部品点数が多く、オーバーホールの難易度が高い
● フロート式
- フロート室で燃料量を一定に保つ構造
- 構造が単純で整備性が高い
- 斜面作業では燃料供給が不安定になることがある
■ キャブレターのオーバーホール(分解・洗浄・再組立)
キャブレター内部は 0.3mm以下の微細な燃料通路 が多数あり、
古い燃料やゴミが詰まると、以下の症状が発生します。
- 始動性の悪化
- アイドリング不安定
- 高回転での息つき
- エンスト
今回の講習では、受講者の皆さんに 実機を使って完全分解 を行っていただきました。
▼ 分解整備の専門的ポイント
① エアクリーナー清掃
吸気側の汚れはキャブ内部の汚染に直結します。
スポンジフィルターは以下の基準で洗浄します。
- 軽度 → エアブロー
- 重度 → パーツクリーナー+乾燥
- 破損 → 交換推奨
② キャブレター取り外し
リンクロッド・スロットルワイヤー・燃料ホースの取り回しを確認しながら外します。
写真記録は必須です。
③ 分解(ダイヤフラム・ガスケットの取り扱い)
- ダイヤフラムは 2〜3年で硬化
- ガスケットは貼り付きやすく、無理に剥がすと破損
- プライマリーポンプは劣化しやすい消耗品
④ 内部洗浄
- 泡タイプのキャブクリーナー が最も効果的
- ジェット孔はエアブローで完全乾燥
- 金属ブラシは使用禁止(通路を傷つけるため)
⑤ 再組立て
- ガスケット → ダイヤフラムの順で重ねる(機種による)
- ニードルバルブの向きに注意
- 締め付けトルクは均等に
⑥ アイドリング調整
エンジンが暖まった状態で以下を調整します。
- Lスクリュー:低速側の燃料量
- Hスクリュー:高速側の燃料量
- Tスクリュー:スロットル開度(アイドル回転)
適切な調整により、燃費・出力・始動性が大きく改善します。
■ ギアケース(動力伝達系)の構造と整備
ギアケース内部には かさ歯車(ベベルギア) が組み込まれ、
エンジンの回転を刃の回転へ90度変換しています。
▼ ギアケースの専門的ポイント
- 高速回転+高負荷のため、潤滑不足は焼き付きの原因
- グリスは使用時間25〜50時間ごとに点検
- グリス注入口から補充可能
- 理想は分解して古いグリスを完全除去し、新しいグリスへ交換
今回の講習では、受講者の皆さんに 実際にギアケースを開け、内部構造を確認 していただきました。
■ リコイルスターター(始動系)の構造と交換
リコイルスターターは、
ロープ → プーリー → スプリング → フライホイール
という力の伝達でエンジンを回転させる仕組みです。
▼ よくあるトラブル
- ロープ切れ
- スプリングの戻り不良
- プーリー破損
これらは分解・交換で確実に修理できます。
講習では、スプリングの巻き戻し方法やロープ交換のコツなど、
現場で役立つ実践的な技術を解説しました。
■ まとめ:自分の道具を理解することが安全につながる
今回の講習では、刈り払い機の主要機構を
構造理解 → 分解 → 清掃 → 組立 → 調整
まで一連の流れで習得していただきました。
刈り払い機は適切に整備することで、
- 出力の安定
- 燃費向上
- 故障リスクの低減
- 作業の安全性向上
といった効果が得られます。
「自分の道具を自分で整備できる」ことは、
林業・草刈り作業における 最も重要な安全管理 のひとつです。学びを活かしていただければと思います。
次回のラボは5月3日に開催されます。
あなたにぴったりのチェンソーや刈り払い機の選び方から始めて、使い方やメンテナンス方法、安全な取り扱い方法、効果的な作業手順など、必要な知識と技術を一から丁寧に教えます。特に、危険性のある作業だからこそ、安全で確実な技術を身につけることを重視しています。
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さらに、基本技術から応用へ中級者のための超実践的林業実践講座として、「フォレストリー・ラボ 中級」では初級で得た知識と技術を応用し、さらに難しい技術を実践していきます。チェンソーのキャブレターの分解・清掃、昇柱器と使った木登り、大径木の伐木など本業として使える技術を習得できます。また、里山資源を活用できるように軽トラックが入れる幅の作業道開設の基本をお教えします。
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見学したい方は、お気軽にお問い合わせください。








