「実践で学ぶ!ワイヤーロープのアイスプライス基本技法〈巻き差し編〉」


2月2日にフォレストリー・ラボ中級クラスが開催されました。
今回のフォレストリー・ラボの内容はワイヤロープの「アイスプライス」の編み方をお教えしました。

ワイヤーロープは、複数の鋼線を撚り合わせて作られたロープで、様々な用途に利用されています。

ワイヤーロープの基本構造

  • 素線: ワイヤーロープは、細い鋼線(素線)を撚り合わせてストランドを形成します。
  • ストランド: 複数の素線を撚り合わせたものがストランドで、これをさらに複数本撚り合わせてワイヤーロープが作られます。
  • 心綱: ストランドの中心には心綱があり、これには以下の種類があります。
    • 繊維心(Fiber Core): 天然繊維または合成樹脂で作られた中心。
    • ストランド心(Independent Wire Strand Core): ストランドと同じ構造のもの。
    • ロープ心(Independent Wire Rope Core): 7×7のロープが一般的です。

より方向とより方

  • より方向: ワイヤーロープやストランドのより方向には、ZよりとSよりがあります。特に指定がない場合、ロープはZよりで、ストランドはSよりで作られます。
  • より方:
    • 普通より(Ordinary Lay): ロープのより方向とストランドのより方向が逆。
    • ラングより(Lang’s Lay): ロープとストランドのより方向が同じ。

ワイヤーロープの種類

  • 交差よりロープ: ほぼ同径の素線を撚り合わせたもので、柔軟性に優れています。
  • 平行よりロープ: ストランドの谷間に異なる径の素線を撚り合わせており、耐疲労性が高いです。

ワイヤーロープの特性

  • 引張強度: 鉄鋼二次製品に比べて高い。
  • 耐衝撃性: 衝撃に強く、様々な環境で使用可能。
  • 柔軟性: 取り扱いやすく、運搬が容易です4。

ワイヤーロープは、その複雑な構造と特性により、クレーンやエレベーター、土木建築など多岐にわたる用途で使用されています。これらの情報を基に、用途に応じた適切なワイヤーロープを選ぶことが重要です。

ワイヤーロープのアイスプライスは、ワイヤーロープの端に輪(アイ)を作る技法で、主に荷掛け用や台付け用のロープを作成するために使用されます。この技法は、ストランドをワイヤーロープの間に差し込むことで「アイ(わっか)」を形成します。

アイスプライスの定義

  • アイスプライス: ワイヤーロープの端に輪を作る加工方法。これにより、荷物を固定するためのロープが作成されます 。

アイスプライスの用途

  • 荷掛け用ロープ: 荷物を安全に固定するために使用されます。
  • 台付け用ロープ: 様々な作業での支持や吊り上げに利用されます 。

アイスプライスの種類

  • 巻き差し:
    • 特徴: 編み方の性質上、回転すると解ける可能性があります。
    • 使用例: 一般的なロープの先端処理に使われます。
  • さつま編み:
    • 特徴: ロープを一度ほどいて輪を作り、再び編み込む方法です。非常に強固な結び方として知られています。
    • 使用例: 荷造りやアウトドアでの使用が多いです。
  • かご差し:
    • 特徴: 完成形がかごの姿になるため、見た目が特徴的です。別名「本割り差し」や「さつま差し」とも呼ばれます。
    • 使用例: 特に重い荷物を持ち上げる際に使用されます。
  • 変形割差し:
    • 特徴: エビのシッポのような形になるため、「エビ差し」とも呼ばれます。簡単で確実な方法です。
    • 使用例: 初心者にも扱いやすいアイスプライスの一種です。

今回はアイスプライスの「巻き差し」の編み方をお教えしました。

巻き差しによるアイスプライス

巻き差しによるアイスプライスは、比較的簡単です。しかし、丸差しだけでは、集材時に丸太を1本吊
りした場合、ワイヤロープが、よりが戻る方向に回転し、加工部分が抜ける可能性があるため、用途は台
付けロープなどに限定されます。
 スリングとして使用するためには、クレーン等安全規則(第219条)により、ストランドを編み込む回
数が、丸差し3回以上と半差し2回以上、または丸差し4回以上と半差し1回以上の合計5回以上と規定され
ています。

① 丸差し

準備

  1. ロープの準備:
    • フレミッシュアイ加工をしたアイを手前に向けます。
    • 左側の4本のストランドに付いている心綱を根元までほどきます。

編み込み手順

  1. 心綱をより込む:
    • 心綱をより込みます。
    • スパイキを心綱の上に通し、右から左に差し込みます。このとき、ストランドを2本すくいます。
  2. 心綱の挿入:
    • 右手で持ったスパイキを右に回して垂直にし、心綱をロープの中に入れます。
    • そのまま右手のスパイキをロープのより方向に回転させながら前進させると、心綱が自然にロープの中により込まれます。
  3. ストランドの選定:
    • 1本目のストランドの1回目の編み込みが完了したら、左側の2本のストランドの内側のものを選び、根元までほどきます。
  4. ストランドの差し込み:
    • 心綱を入れた際にすくったストランドの手前のものを選び、スパイキで右から左に差し込みます。
    • 選んだストランドに『より戻し』を掛けて差し込みます。
  5. 締め込み:
    • 差し込んだストランドを手前に引いて締め込みます。この操作を3回繰り返します。

追加の編み込み

  1. 2回目の編み込み:
    • 1本目と同じストランドにスパイキを差し込み、1回目と同様に差し込み、締め込みます。この操作を計3回行います。
  2. 2本目以降の編み込み:
    • 異なるストランドを選び、上記の手順を繰り返します。アイをひっくり返して、残りのストランドも同様に編み込みます。
  3. 締め付け:
    • すべてのストランドを4回ずつ差し終えたら、ハンマーでアイの根元部分から先端に向かって均一に叩き、ストランドがワイヤーロープに馴染むようにします。

② 半差し

準備

  1. ストランドの分離:
    • ストランドを外層線と内層線に分けます。端末から約3cmの位置をつまみ、外層線を内層線と分けます。
  2. 内層線の切断:
    • 内層線をできるだけ短く切断します。この作業を残りのストランドにも行います。

編み込み手順

最後に、よりの方向にハンマーで叩いて形を整えます。差したストランドがワイヤーロープに馴染んでいることが理想的です。

外層線の差し込み:

1本目の丸差しを行ったストランドをスパイキですくい、外層線を差し込みます。このとき、内層線の切断面を隠すように差し込みます。

残りのストランドも同様に:

同様の手順で、残りのストランドに対しても外層線を差し込みます。

最終仕上げ:

外層線のヒゲが約5mm程度出るように切断します。

心綱を切断し、はみ出している心綱をスパイキでロープの中に押し込みます。

ハンマーで整形:

最後に、よりの方向にハンマーで叩いて形を整えます。差したストランドがワイヤーロープに馴染んでいることが理想的です。

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