プロ機の実演と最新モデル体験を通じて学ぶ、刈払機の基礎から安全な使い方


5月18日にフォレストリー・ラボ初級が開催されました。今回のラボでは、「刈払機の各種類に応じた使用目的・刈刃の違いと草刈りの安全な作業方法」について、実地での体験を交えながら学びました。

特別協力として、木工機械の中屋松太郎様にお越しいただき、最新のマキタ製バッテリー式刈払機および新ダイワ製プロ用エンジン式刈払機の展示・解説を行っていただきました。

■ 刈払機の基礎知識

刈払機とは、肩にかけたり背負ったりして操作する、草刈り用の機械です。主に「チップソー」や「金属刃」などの刈刃を取り付け、雑草や低木を切り払うのに使用します。

動力源により、大きく「エンジン式」と「電動式」に分かれ、それぞれにメリット・デメリットがあります。

● 電動式(充電式含む)

  • メリット:静音性が高く、取り回しが軽快。住宅地や早朝作業に向いています。
  • デメリット:作業時間がバッテリーに依存し、長時間作業には不向きなこともあります。

● エンジン式

  • メリット:高出力で長時間作業に対応。多種多様な刃に対応可能。
  • デメリット:音が大きく、排ガスの発生や燃料管理が必要。

エンジン式には「2サイクル(2ストローク)」と「4サイクル(4ストローク)」があり、以下のような違いがあります:

タイプ特徴
2サイクル式軽量・構造がシンプル・瞬発力に優れる。自分での整備も比較的簡単。
4サイクル式燃費が良く静か。排ガスも少なく、混合燃料不要。振動も抑えられる。

■ 最新の充電式刈払機:マキタ製品の魅力

今回は、マキタ社の40Vmaxバッテリーシリーズを中心に、複数の機種を展示・体験しました。

  • 高性能ブラシレスモーターを搭載し、エンジン式に匹敵するトルクを実現。
  • (注1)APT(防水防塵機能)やウェットガード(IPX4)により、急な雨でも安心。
  • (注2)AFT(キックバック防止機能)により、安全性も高く設計されています。
  • 逆回転機能により、草の絡まりを簡単に除去可能。
  • 互換バッテリーシステムにより、同じバッテリーで他の電動工具(チェーンソー、ブロワーなど)とも共有可能。コスト削減にもつながります。

(注1)「APT(防水防塵機能)」とは、マキタが独自に開発した機械の防水・防塵性能を高めるための技術です。正式には「Advanced Protection Technology(高度保護技術)」の略で、現場での過酷な使用環境でも機械が壊れにくくなるように設計されています。

■ APTの特徴

  • 内部への水やホコリの侵入を最小限に抑える構造
    • 精密なシーリングやパッキンが施されており、小雨や粉じんの多い環境でも使用可能。
  • 耐久性の向上
    • 建設現場や山林など、屋外でのハードな作業にも安心して使用できます。

■ IP規格との違い

よく似た表記で「IPX4」「IP56」などがありますが、これらは国際規格で定められた防塵・防水性能の等級を示しています。一方、APTはマキタ独自の基準であり、IP等級の補完的な意味合いで使われることが多いです。

たとえば:

  • 「APT + IPX4」 → 雨に濡れても動作に支障がない構造
  • 「APT + IP56」 → 粉じんの多い場所でも安心して使える設計

草刈りやチェーンソー作業では、朝露や小雨、飛び散る土・草くずなど、機械にとって過酷な条件が日常的にあります。APT対応モデルを選ぶことで、機械の故障リスクを減らし、作業を中断せずに進めることができます。

(注2)「AFT(キックバック防止機能)」とは、マキタ独自の安全機能で、正式には「Active Feedback sensing Technology(アクティブ・フィードバック・センシング・テクノロジー)」の略です。

これは、刈払機やチェーンソーなどが急に停止したり、刃物が何かに引っかかって急激に回転が止まったとき(=キックバックの兆候)に、モーターの回転を瞬時に止めることで使用者の安全を守る技術です。

■ AFTの動作イメージ

  1. 作業中、回転刃が石・根・太枝などに衝突して急停止。
  2. 内部のセンサーが「回転の急激な減速」を検知。
  3. モーターへの電流を瞬時にカット → 機械が即停止
  4. 使用者はキックバック(跳ね返り)の衝撃を受けにくくなる。

■ なぜAFTが必要なのか?

キックバックは、以下のような危険をもたらします:

  • 機械が急に跳ね上がって顔や体を直撃
  • コントロール不能になり、周囲の人や物を傷つける
  • 特に高トルクのバッテリー機やプロ機では危険性が高い

AFTは、**これらのリスクを最小限に抑えるための「瞬時停止ブレーキ機構」**です。

■ AFT搭載機種の例

  • マキタの40Vmaxバッテリー式刈払機(例:MUR005Gシリーズなど)
  • バッテリーチェーンソーの一部上位モデル

■ AFTと他の安全機能との違い

機能名内容備考
AFT回転刃の急停止を検知 → モーター停止キックバック対策
電動ブレーキトリガー離すと即停止通常の操作用
ソフトスタート回転始動をゆっくりに安全&操作性向上

■ 現場での利点

  • 初心者でも安心して扱える
  • 足場の悪い場所や密林内でも安全性が高い
  • 作業中のトラブル時、機械の損傷リスクが減る

■ 刈払機の操作とハンドル形状の違い

作業環境に応じたハンドル形状の選択も重要です。

ハンドルタイプ特徴
U字(両手)ハンドル平地・広い場所向き。操作が安定し、安全性も高い。
ループハンドル斜面作業など多用途に対応。バランスが良く扱いやすい。
ツーグリップ狭所や細かい作業に適すが、腕に負担がかかりやすい。

■ 安全な作業のために

草刈り作業では、「キックバック」などの思わぬ事故を防ぐため、以下の点にも注意を払う必要があります:

  • 周囲の確認と障害物の除去
  • 防護具の着用(フェイスガード、手袋、安全靴)
  • 作業前後の機械点検と刃のメンテナンス
  • 無理のない姿勢と定期的な休憩

今回の講習を通じて、参加者の皆さんには、道具の選び方・操作の基本・安全への配慮について理解を深めていただけたことと思います。

次回のラボは6月16日に開催されます。

あなたにぴったりのチェンソーや刈り払い機の選び方から始めて、使い方やメンテナンス方法、安全な取り扱い方法、効果的な作業手順など、必要な知識と技術を一から丁寧に教えます。特に、危険性のある作業だからこそ、安全で確実な技術を身につけることを重視しています。

初めてチェンソーや刈り払い機を使う女性の方でも、安心して木の切断作業を行えるよう、分かりやすく丁寧にサポートいたします。あなたのニーズや目標に合わせたカスタマイズされた指導を通じて、自信を持って作業に取り組むことができるようお手伝いいたします。

また、フォレストリー・ラボでは、伐木などの業務特別教育と刈り払い機の取り扱い安全衛生教育も提供しており、これらの教育を修了された方には修了証をお渡ししています。この学んだ知識や技術は、本業としても、副業としても有効に活用できます。

さらに、基本技術から応用へ中級者のための超実践的林業実践講座として、「フォレストリー・ラボ 中級」では初級で得た知識と技術を応用し、さらに難しい技術を実践していきます。チェンソーのキャブレターの分解・清掃、昇柱器と使った木登り、大径木の伐木など本業として使える技術を習得できます。また、里山資源を活用できるように軽トラックが入れる幅の作業道開設の基本をお教えします。

また、フォレストリー・ラボ 中級の中で小型車両系建設機械の安全衛生教育行い、受講された方には修了書をお渡ししますのでここで学んでいたことを本業としても副業としても活用していただけます。

見学したい方は、お気軽にお問い合わせください。


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