「草刈りビギナー必見!刈払機を長く使うための手入れとチェックポイント」


7月21日にフォレストリー・ラボ初級が開催されました

この日のラボの内容は刈り払い機の簡単な日常点検とメンテナンス、午後からは笹刃のアサリ割りと林床整理伐のやりかたをお教えしました。

刈払機を安全に使うためには、しっかりと日常点検を行うことが大切です。点検が不十分だと、刃が高速で回転する際に振動が発生したり、飛び散った物でケガをしたり、燃料が漏れたりする危険があります。そこで、始業前に主要なネジが緩んでいないかや、その他の異常がないかを確認することが必要です。

刈払機を水で洗うことは避けてください。ハンドルからエンジン部分までワイヤーでつながっており、水が入るとエンジン内部の金属が錆びる恐れがあります。汚れを落とす場合は、パーツクリーナーを使いましょう。その後、エアーコンプレッサーで汚れを吹き飛ばすと、よりきれいに仕上がります。

刈払機のようなエンジン付き農機具には、エンジン内部にゴミが入らないようにするエアーフィルター(エレメント)が付いています。エアーフィルターが汚れると、エンジン内にゴミが入り、故障の原因になることがあります。

刈払機のエアーフィルターは、一般的に薄いスポンジ状のものが使われています。汚れが少なくても、時間が経つとエアーフィルターが劣化して脆くなり、破損することがあります。そのため、定期的に点検と清掃を行い、破損する前に交換することが大切です。

刈払機のエアーフィルターが汚れる度合いは使用環境により異なります。乾燥して土埃の多い場所で使用する場合、フィルターは早く汚れてしまうので、定期的な清掃が必要になります。

エアーフィルターを掃除する際は、コンプレッサーで内側から外側へ空気を吹き付けてゴミを飛ばしてください。また、パーツクリーナーで洗浄するとさらにきれいになります。

2サイクルエンジンのエアーフィルター清掃には、通常、混合油を使用して洗い、絞ってから取り付けます。しかし、この方法は手が汚れやすく、少々手間がかかります。

エアーフィルターの交換は、フィルターの状態を確認して決定します。使用頻度に関わらず、スポンジは経年劣化で脆くなりますので、通常5〜6年おき、遅くとも8年以内の交換を推奨します。

また、混合油で洗浄するのが面倒な場合、フィルターは安価で手に入るため、早めの交換で汚れを予防することが可能です

刈払機のギアケースは、エンジンまたはモーターの回転を刈り刃に伝達する部品で、内部には斜め歯車があり、潤滑油としてグリスが充填されています。このグリスはギアの摩耗を防ぐ役割を果たしています。ギアケースを最適な状態に保つためには、定期的なグリスの補給が不可欠です。

同じグリスを長期間使用すると、剪断、高温、酸化によって潤滑性が低下します。劣化したグリスをそのまま使用し続けると、ギアの焼き付きを引き起こす可能性があります。

刈り刃の部分は、定期的に部品を取り外し、ギアケース内のゴミを除去しましょう。ゴミを除去した後には、グリスを必ず注入してください。特に、熱に強いリチウム系耐熱グリスの使用をお勧めします。

刈払機によって異なりますが、一般的には25〜50時間ごとにギアケースにグリスを補給することをお勧めします。

ギアケースへのグリスの注入は、ギアケースの側面にあるグリス充填口を塞いでいるボルトを取り外し、その穴にグリスを注ぎ込むだけです。

引用:TCG22EAS取扱説明書|Tanaka

刈払機のグリスアップをする際、注油孔ボルトが緩むことがあり、時には外れることもあります。ボルトを締め過ぎると、金属の柔らかさのためにヘッドのねじ山を損傷する恐れがあります。作業には十分注意してください。

点火プラグ(スパークプラグ)は、ガソリンや混合燃料を燃焼させるために火花を飛ばす部品です。点火プラグが劣化すると、エンジンがかかりにくくなるなどの問題が発生します。

故障の一般的な原因として点火プラグがあります。エンジンから点火プラグを取り外し、先端の状態を確認しましょう。黒く汚れていれば、ワイヤーブラシで掃除してください。また、点火プラグの先端を金属に接触させ、リコイルスターターを引いて火花が出るかどうかをテストしてください。汚れがひどい、摩耗している、または火花が確認できない場合は、新品に交換する必要があります。

使用中に点火プラグの発火部分がカーボンで覆われ、火花が散らばりにくくなることがあります。約25時間使用後は点検や清掃を行い、交換が必要なら新しいものにしましょう。

刈払機の燃料フィルターの管理は、エンジン性能を維持する上で非常に重要です。

燃料フィルターの詰まりは、刈払機の性能を大幅に低下させます。

燃料フィルターが詰まると、以下のような症状が現れます:

  1. エンジンが始動しにくくなる
  • 原因: フィルターが詰まって、燃料がエンジンに届かないため。
  • 症状: 普段はすぐにかかるエンジンが、なかなか始動しなくなる。
  1. エンジンの回転数が不安定になる
  • 原因: 燃料が十分に供給されていないため。
  • 症状: 動作中にエンジンが急に止まったり、回転数が不規則に変動する。
  1. エンジンが全く動かなくなる
  • 原因: 燃料フィルターが完全に詰まり、燃料の流れが完全に止まるため。
  • 症状: エンジンが全く動かなくなる。

燃料フィルターの汚れは主に、燃料に含まれる不純物やゴミが原因です。フィルターはこれらをエンジンへの供給前に除去する役割を果たしますが、時間と共に不純物が蓄積し、汚れていきます。

具体的には、給油時に燃料タンクへゴミやホコリが混入することがあります。さらに、燃料には微細なゴミや水分が含まれていることもあります。これらの不純物が蓄積され、フィルターの汚染の原因となります。

燃料タンク内の結露もフィルターの汚れの一因となります。湿度が高い場合、タンク内に水分が生じ、フィルターに悪影響を及ぼすことがあります。燃料フィルターが汚れる要因は多々ありますが、定期的な点検と清掃、または交換をすることで、刈払機の性能を維持できます。

燃料タンク内にある燃料を吸い上げるパイプのフィルターは、使ううちに汚れていきます。フィルターが汚れると目詰まりし、故障の原因になります。タンクの中に針金を入れてパイプを引き出し、コンプレッサーでゴミを吹き飛ばして清掃してください。

また、燃料タンク上部のプライミングポンプを押して、燃料がタンク内に戻るか確認しましょう。燃料が戻らない場合は、フィルターの詰まりか、プライミングポンプが故障している可能性があります。

エンジンの冷却空気の吸入口やシリンダーのフィンが汚れで塞がれた場合、過熱して故障の原因となることがあります。これらの部分は定期的に検査し、清掃することが重要です。詰まりが生じると、エンジンが過熱し、重大な故障に繋がることがあります。全体の清掃時には、ねじの緩みやガタつきも確認し、ねじを締める際には、ねじ穴の汚れをしっかりと除去してから行うことが大切です。汚れが残っていると、ねじが緩む原因となる可能性があります。

シーズン終了時の刈払機の長期保管メンテナンスは、次の手順で行ってください:

  1. 燃料タンクを空にする
  • 燃料タンクを空にし、燃料ポンプを数回押して残りの燃料を取り除きます。
  1. キャブレター内の燃料を空にする
  • エンジンをアイドリングでエンストするまで運転し、その後、チョークをかけてスターターを引き、エンジンがエンストするまで運転します。
  • この操作を数回繰り返すことで、キャブレター内の燃料を完全に取り除きます。これにより、キャブレターのダイヤフラムが固着するのを防ぎます。
  1. 機械を掃除する
  • 機械全体を丁寧に掃除しながら、摩耗や破損がないかチェックします。必要があれば修理や整備を行いましょう(例:破損した部品の交換、ギアヘッドのグリスアップ)。
  1. カッティングアタッチメントを取り外す
  • カッティングアタッチメントを取り外し、清掃と点検を行います。必要に応じて交換してください。
  1. 乾燥した安全な場所に保管する
  • 機械を乾燥した、安全な場所に保管してください。

午前中に、刈り払い機の各パーツを実際にお見せしながら、これらのポイントについて説明しました。

午後からは、笹刃のアサリ割りの仕方と除伐の作業方法の実践をしました。

「笹刈刃」とは、刈払機に使われる特別な刃の一種です。この刃は円形の回転刃から出る丸みを帯びた形状をしており、柔らかい草や笹などを効率的に刈るのに適しています。その丸みが滑りやすい草に効果的に切り込んでくれるからです。

灌木を切る際、刃と木の接触による抵抗が増加することがあります。この抵抗を減らすために、笹刈刃には「アサリ」と呼ばれる工夫がされています。

「アサリ」とは、笹刈刃の刃が交互に外側に突き出ている仕組みです。これによって、笹刈刃の刃が灌木にしっかりと入り込まない限り、材料を切ることができません。このため、灌木と笹刈刃の接触による抵抗が少なくなります。

さらに、この仕組みによって木くずも効果的に外に排出されるため、作業効率が向上します。つまり、灌木を効果的に切断するための工夫として「アサリ」が役立っているのです。

津村鋼業株式会社のホームページより

アサリを出した笹刃を使って、林床整理伐作業を実践しました。

林床整理伐は、安全に伐木作業を行うために最初に実施される作業であり、伐採する立木の周囲から、伐木作業に障害となる灌木や育成中の樹木、美観を損ねる枯れ木や蔓植物、常緑低木、笹などの林床植物やゴミを取り除くことを指します。

間伐の際には、視界を確保するため林床の整理を行います。この時、カエデやツツジなどの景観に寄与する樹木は残し、高木性の広葉樹も一定数保持することで、景観を考慮した針葉樹と広葉樹の混交林を形成することが重要です。しかし、最も重要なのは、「かかり木」を避けるため、予め他の木に引っかかりそうな枝を持つ雑木を切り落としておくことです。

アサリ割り器でアサリを出し、丸やすりで笹刃よく切れるようにしてから、受講生の皆さんで手分けしながら、安全に作業できました。

次回のラボは8月18日を予定しています。

フォレストリー・ラボでは、あなたにぴったりのチェンソーや刈り払い機の選び方から始めて、使い方やメンテナンス方法、安全な取り扱い方法、効果的な作業手順など、必要な知識と技術を一から丁寧に教えます。特に、危険性のある作業だからこそ、安全で確実な技術を身につけることを重視しています。

初めてチェンソーや刈り払い機を使う女性の方でも、安心して木の切断作業を行えるよう、分かりやすく丁寧にサポートいたします。あなたのニーズや目標に合わせたカスタマイズされた指導を通じて、自信を持って作業に取り組むことができるようお手伝いいたします。

また、フォレストリー・ラボでは、伐木などの業務特別教育と刈り払い機の取り扱い安全衛生教育も提供しており、これらの教育を修了された方には修了証をお渡ししています。この学んだ知識や技術は、本業としても、副業としても有効に活用できます。

さらに、基本技術から応用へ中級者のための超実践的林業実践講座として、「フォレストリー・ラボ 中級」では初級で得た知識と技術を応用し、さらに難しい技術を実践していきます。チェンソーのキャブレターの分解・清掃、昇柱器と使った木登り、大径木の伐木など本業として使える技術を習得できます。また、里山資源を活用できるように軽トラックが入れる幅の作業道開設の基本をお教えします。

また、フォレストリー・ラボ 中級の中で小型車両系建設機械の安全衛生教育行い、受講された方には修了書をお渡ししますのでここで学んでいたことを本業としても副業としても活用していただけます。

見学したい方は、お気軽にお問い合わせください。


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