この日のラボの内容はチェーンソーの簡単なメンテナンスとソーチェンの目立てを行いました
チェーンソーは細かいゴミがたまりやすいので、摩耗や破損が放置されると事故やケガのリスクが高まります。
チェーンソーを長く使いたいなら、定期的なメンテナンスは必要です。機械の不調は 、作業効率の低下と不安全作業に繋がります。
チェーンソーには寿命がありますが、使い方によって大きく異なります。同じチェーンソーでも、適切なメンテナンスで20年以上使えることもあれば、使い方や頻度によっては5年で故障して使えなくなることもあります。
皆さんのお持ちのチェーンソーを使ってメンテナンスしていきます
最初に行ったのはエアクリーナエレメントの清掃です
エアーフィルターが汚れると、ゴミが詰まって空気の取り入れが減ります。すると、チェーンソーの出力が低下します。
まずエアクリーナーがついてあるカバーを取り外す前にゴミがエンジン内部に落ち込まないよう、チョークを閉じます。
カバーを外し、エアーフィルターの状態を確認し、エアコンプレッサー、またはパーツクリーナーでフィルターについているごみを吹き飛ばします
必要に応じ、エアフィルターを取り外し、エアフィルター内部も清掃し、汚れがひどい場合は交換します
エアフィルターの清掃に仕方をお教えした後、どのようにチェーンソーが動くのかを説明しながら、チェーンソーを分解していきます
ソーチェンを回すためのスプロケットや遠心クラッチの仕組み、ピストン、シリンダーなどエンジン内部の構造や動き方を実際にお見せししながら、簡単なメンテナンス方法をお教えしました
チェーンソーのエンジンがかかれない、またはアクセルをふかしたときに回転数が安定しないなどに原因に
キャブレターにごみが詰まるなど、「キャブレター」掃除が必要になります
エンジンは、始動時だけでなく稼働中も常に適切な量の燃料を必要とします。そのため、ただ燃料を供給するだけでは、エンジンが安定せず、故障の原因にもなりかねません。
エンジンが安定したパワーを発揮し、長期間故障なく使用するためには、適切な量の燃料を空気と混合し、効果的に供給するのがキャブレターの役割です
キャブレターは、エンジンの回転数を制御する重要な役割も果たします。フルスロットル時の最高回転数は、エンジンの耐久設計とキャブレターの性能やセッティングによって決まります。また、アイドリング時などにはエンジンの回転数を下げて、燃料の消費を調整する役割も担っています。
キャブレターは単純なメカニズムで高性能を発揮し、長期間安定して機能します。しかし、使い方や環境によっては故障する可能性があります。
キャブレターの故障原因は主に3つあります。
- メンテナンス不足による長期間の酷使:キャブレターはエンジン機構の重要な部分であり、定期的なメンテナンスや異常の確認が必要です。メンテナンスを怠ると、長期間の酷使により故障する可能性があります。
- 粗悪な燃料の使用:長期間放置された燃料や劣化した燃料を使用すると、キャブレターが詰まる可能性があります。これは故障の原因になります。
- 長期間の使用による部品の摩耗や劣化:キャブレター内部の部品が摩耗や劣化すると、調整が狂い、正常な機能を果たせなくなることがあります。
キャブレターは耐久性がありますが、使用環境によっては故障する可能性があるため、注意が必要です。
| スクリュー | 役割 | 右(時計方向)回転 | 左(反時計方向)回転 | ||
| Lスクリュー | 低速時のアイドルポート からの燃料吐出量調整。 | 燃料の量が減少し、 エンジン回転上昇。 | 燃料の量が増加し、 エンジン回転下降。 | ||
| Hスクリュー | 高速時のメインジェット からの燃料吐出量調整。 | 燃料の量が減少し、 エンジン回転上昇。 | 燃料の量が増加し、 エンジン回転下降。 | ||
| LAスクリュー | アイドリング時のスロッ トル開度調整。 | スロットル開度が増加 しエンジン回転上昇。 | スロットル開度が減少 しエンジン回転下降。 |
キャブレターの調整スクリューは上表に記すように通常3個あります。
LスクリューとHスクリューを回す方向で、エンジンの空燃比が変化します。そして、空燃比の変化によってエンジンの回転数も変わります。
時計回りに回すと、エンジンの空燃比が希薄になります。希薄な空燃比にすると、エンジンの回転数が上がります。
反時計回りに回すと、エンジンの空燃比が濃厚になります。濃厚な空燃比にすると、エンジンの回転数が下がります。
アイドリング時にエンジンが不安定で止まってしまう場合、回転数が不足している可能性があります。そのため、回転数を上げるためには、Lスクリューを時計回りに回して回転数を上げる必要があります。
チェーンソーをスムーズに使うためには、キャブレターの調整が不可欠です。
簡単なキャブレターの分解・清掃の仕方をお教えし、各自お持ちのチェーンソーのメンテナンス作業を実践し、午前中の講習が終了しました
午後からはソーチェンの目立ての仕方をお教えしました
「ソーチェン」は、チェーンソーの刃のことです。木材を削るカッターと、駆動力を受け止めるドライブリンクが、タイストラップを使ってリベットでつながれた構造になっています。
ソーチェンは、右カッターと左カッターが交互に並んでいます。また、ドライブリンクには、チェーンオイルをバー全体に均等に潤滑させる機能もあります。
ソーチェーンには、主に4つの規格があります。これらの規格は、ガイドバーやチェーンソーの規格と一致させて使用します。
チェーンソーの刃であるソーチェンは、使用中に摩耗や変形が生じるため、定期的に交換が必要な消耗品です。使用するチェーンソーのガイドバーの長さや溝幅、ピッチによって、使用できるソーチェンの種類が決まります。
ソーチェンの刃の種類によって、切断速度や切れ味、耐久性、必要なパワーに違いがあります。
ソーチェンを選ぶ際は、まずピッチ、ゲージ、ドライブリンクの数を把握する必要があります。これらを知っていれば、他の選択肢も基本的に自分の好みに合わせることができます。
ピッチとは、ソーチェン上の2つのリベット間の平均距離のことです。通常、この値(1/4インチ、0.325インチ、3/8インチ、0.404インチ)は、ガイドバーに表示されています。
ゲージは、ドライブリンクの厚さを示します。ソーチェンを正しくガイドバーの溝にはめるためには、この値を知っておくことが重要です。ゲージ(0.043インチ、0.050インチ、0.058インチ、0.063インチ)は、ピッチのようにガイドバーに表示されることがあります。
ソーチェンの長さは、ピッチとドライブリンクの数によって決まります。
ソーチェーンの種類(カッター形状)は、以下の5種類です
- チッパー(丸刃)
- マイクロチゼル(半丸刃)
- セミチゼル(半角刃,半丸刃)
- シャンファーチゼル(半角刃)
- チゼル(角刃)
チッパー(丸刃)は、ソーチェーンが最初に発明された時の形に最も近いもので、切れ味の持続性と目立ての簡単さの両方で最も優れています。
マイクロチゼル(半丸刃)は、チッパーの特性を損なわずに、切れ味を向上させるために形状を変更したタイプで、木材の切断面に少ない毛羽立ちが生じるため、日本の林業で広く好まれている一般的な形状です。
セミチゼル(半角刃,半丸刃)は、マイクロチゼルの切れ味を更に向上させるために、最も切れ味が良いチゼルの形状に近づけたタイプで、一方、セミチゼルは、マイクロチゼルとシャンファーチゼルの中間的な形状を持っています。
シャンファーチゼル(半角刃)は、セミチゼルとチゼルの中間的な形状と性能を持っています。切れ味と目立ての簡単さはセミチゼルに近く、切れ味が優れています。シャンファーとは「面取り」を意味する英語です。その名の通り、チゼルの外角が面取りされています。
チゼル(角刃)は、はっきりとした角がある外角を持つタイプで、切れ味に特化した形状で、上級者の方がよく使用します。特殊な形状のため、目立てには特殊なヤスリ(角ヤスリ)を使用します。
皆さんお持ちのソーチェンがどの規格でカッター形状なのかをご説明しました
そのあと目立ての仕方をお教えしました
目立てとは、ヤスリを使ってソーチェーンの刃を研ぐ作業のことです。
チェーンソーの故障の原因の90%は、ソーチェンの目立て不良に起因しているといわれています。ソーチェンの目立ては、非常に重要な作業です
ソーチェーンの刃は、使い続けると丸くなり、切れ味が低下します。また、石などに当たるとすぐに切れなくなることもあります。このような場合には目立てを行い、ソーチェーンの刃を研ぐことで、切れ味を回復させることができます。
チェーンの刃は、指定の研磨角度に従って研ぐ必要があります。この角度は、使用しているチェーンの種類によって異なります。
各種チェーンには指定された角度があります。一般的なマイクロチゼルの場合、横刃の目立て角は約30°、85°、10°程度です。適切な太さのヤスリを使って横刃の目立てを行うと、正しい目立てができます。
チェーンの種類による目立て角
代表的なソーチェーンの目立て角は次のとおりです。
| チェーンの種類 | 上刃目立て角 | 横刃目立て角 | ヤスリの角度 |
|---|---|---|---|
| チゼル型 | 25度 | 60度 | 90度 |
| セミチゼル型 | 30度 | 85度 | 90度 |
| マイクロチゼル型 | 30度 | 85度 | 10度 |
ソーチェンのピッチと丸ヤスリの径の関係は、上刃からヤスリの径の1/5程度のものが使用されます。また、カッターの長さが短くなると、一回り小さいヤスリが選ばれます。これは、カッターの上刃には傾斜がついているため、徐々にヤスリの径が合わなくなるからです。
ソーチェンにあった丸やすりを使い、正しいに目立て角になるように、正しい目立てを行う方法についてご説明しました
そのあと、皆さんに目立てを実践していただき、目立てをした後どのくらい切れ味がよくなったのか、試し切りをしていただき、終了しました

今回参加された方が目立てをして、そのあと試し切りをしたチェーンソー屑です
次回のラボは2月の18日を予定しています
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