この日のラボの内容は、先月に引き続き、森林作業道の開設の実践をしていただきました
森林作業道の作設には、地形、地質、土質、気象条件などが重要です。しかし、これらは地域ごとに異なるため、作業道は地域ごとの状況に合わせて慎重に計画される必要があります。
森林作業道は、森林を整備するための基盤です。そのため、対象となる森林の施業を考慮しつつ、安全で、経済的な作業道を作る必要があります。また、何度も使用されることを想定して、丈夫な道を作ることも重要です。
森林作業道は土地の構造に基づいているため、作る際には土の基本的な性質を理解する必要があります。
土は、岩石や火山噴出物が破砕や風化したもので、主に砂と粘土で構成されています。表土とは、有機物が分解されて土壌となったものを指します。
森林作業道の土は、礫、砂、粘土が混ざったものです。土の性質は、それぞれの成分の割合や密度、含水比によって大きく異なります。そのため、作業道を建設する際には、現場で使われる土の状態を確認し、転圧や切土を行う際に土の状態を注意深く観察する必要があります。
土の性質は、土を構成する要素だけでなく、地形との組み合わせによってもさまざまな特性を示すことに留意する必要があります。
土地の構造と土の性質を理解したうえで、各地域の地形や地質は、それぞれ特徴が異なるため、自分の施工地の地形や地質を把握することが重要です。
森林作業道を作設する上で注意する地形について代表的なものは
・崖錐(がんすい)
崖錐とは、急峻な山腹の下に30°くらいの斜面で堆積した、岩の風化物などの土砂が積み重なった地形です。この地形では切土を行うと常に土砂が動きやすく、土工事を行う際に土砂の固定が難しい特徴があります。
・地すべり
地すべりは、地下水の影響や温泉などによる基盤岩層の変化、地質構造線などが原因となることがよくあります。
・断層
断層は地層や岩石が割れ目に沿ってずれる部分を指します。断層運動により、地層や岩石が粉々に砕かれた部分が一定の幅を持ち、一定の方向に伸びる場合、それを破砕帯と呼びます。破砕帯は数センチメートルから数百メートルの幅があります。大規模な断層には大規模な破砕帯が伴うことが多く、そのため、何々断層というよりも何々破砕帯と表現されることもあります。破砕帯の岩石は強度が低く、切土を行う際にはのり面の崩落が発生しやすい特性があります。
・扇状地
扇状地とは、急な谷から広い平地に出た場所で、沢や川が運んできた土砂が広い範囲に広がって堆積した地形を指します。
施工地の地形や地質を把握したうえで、森林作業道の幅員を決めることも重要です
森林作業道の幅は、林業機械やトラックの規格に合わせつつ、安全性を考慮し、林地の保護を考え、必要に応じて幅員を検討ししていきいます
今回は軽トラックが通行でき、森林資源が活用できるよう、幅員2.5mを目安にします
森林作業道は、しっかりと締固められた堅牢な土で作っていきます
締固めの効果は、次のようになります。
- 荷重がかかった時の沈下を減らし、道路の耐久性を高めます。
- 雨水の浸透を防ぎ、土地の軟化や膨張を防止します。
- 盛土部分で導水施設がない場合、侵食により道路が欠損する可能性があります。
- 洗越工の流末部では、水叩き工がないため土砂の流出が始まっています。土砂の抜け落ちを防ぐためには、丸太などを利用して洗掘を防止する必要があります。
- 土粒子のかみ合わせを高め、道路の強度を向上させます。 これらの効果を理解し、安全な路面支持力が確保されるよう、施工に努めます。
切土または盛土の量を減らすために、道路の幅や土場の広さは、作業の安全を確保できる最小限に抑えます。そして、切土や盛土の量を調整して、通常は残土処理が必要ないようにします。
切土については、現場の地形、地質、土質、気象条件、そして林業機械などの作業に必要なスペースを考慮しながら、発生土量を最小限に抑えつつ、切土のり面を安定させるよう適切に行います。
切土のり面の勾配については、土砂がよく締まって崩れにくい場合は6分、風化が進んでいない岩石の場合は3分を基準とします。ただし、地形や地質、土質、気象条件などの状況に応じて、切土のり面の勾配を調整します。
盛土については、現場の地形、地質、土質、気象条件、森林作業道の幅、そして林業機械の重量などを考慮して、道路がしっかり支持されて安定するよう適切に行います。
堅固な道路を作るために、盛土を複数の層に分けて、各層ごとに約30cmの厚さになるようにしっかりと締め固めます。地山の土質に応じて、以下の方法で施工します。
ア: 緊結度の高い土砂では、建設機械が沈みにくいため、盛土部分の地山を段切りして基盤を作り、その上に盛土を行います。
イ: 緊結度の低い土砂では、建設機械が沈みやすく、泥濘化しやすいため、盛土部分と地山を区別せずに、路全体に盛土を行い、締め固めて路体の安定を図ります。
盛土のり面の勾配は、盛土の高さや土質によって異なりますが、一般的には1割よりも緩やかな勾配とします
盛土の土量が不足する場合、単に切土を高くして山側から谷側への横方向で土量を調整するのではなく、代わりに当該盛土の前後の路床高を調整するなど、縦方向で土量を調整します。
切土と盛土は、「半切半盛」という半分ずつ行うことが基本であり、土の移動を最小限に抑えます。まず、表土を取り除き、その後、掘り出した土を盛って行きます。
支障木の根株は盛土材料として利用します。
以下の手順で行います:
- 周囲の土を取り除き、根株を掘り出します。
- 根株を180度回転させ、根が大きな側を斜面上方に向けて配置し、転圧しやすく安定させます。
- 事前に掘っておいた盛土部分に根株を運び、外側に配置します。
- 根株に土を盛り、転圧します。
下層広葉樹の利用:
- 広葉樹の根株を盛土の斜面に埋め込むことで、土が早く安定し、早期に緑化が期待できます。
- 下層の植物はすぐに芽を出して緑化を促進する役割を果たします。
これからのことを踏まえ、受講生に線形の決定、支障木の伐木・処理、伐根の埋め戻し、半切半盛など、基本作業を実践していただき、無事終了しました
次回のラボは3月3日です
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