「山に道を拓く:軽トラが通れる作業道と表土ブロック工法」


12月1日にフォレストリー・ラボ中級コースが開催されました。

この日は、作業道の選定とドラグシャベルの操作について学びました。具体的には、立地条件に基づいた作業道の選び方や基本的な作業道開設の仕方を実践しました。

森林整備を行う際には、整備後に出る資源を有効に活用するために、軽トラックが通行できる作業道が必要です。作業道とは、山の中に車両が進みやすい道を作ることを指します。しっかりと整備された作業道があれば、車や人が森に簡単に入ることができ、長期的に森林資源を利用することが可能になります。

作業道があれば、木材やキノコの原木、薪、落ち葉などを運び出すことができます。今回は、軽トラックが通行できる幅2.5メートルの作業道を開設しました。

使用した機械は、機体質量が3トン未満の小型車両系建設機械であるドラグシャベルです。小型車両系建設機械(バックホー、ユンボ、油圧ショベル、ブルドーザー、トラクターショベルなど)を運転するには資格が必要です。

この運転作業に必要な資格には、「車両系建設機械運転技能講習」と「小型車両系建設機械運転特別教育」の2つがあります。当方(岩崎林業)では、機体質量が3トン未満の小型車両系建設機械の特別教育を開催しています。

先日、作業道を開設するにあたり、受講生には小型車両系建設機械の特別教育を受けた後に作業を行ってもらいました。

まず、作業道を開設するためには伐開作業をしなければいけません。
伐開作業は、工事を行うために必要な土地を整える作業です。この作業では、以下のような手順を踏みます。

  1. 雑草の除去: 刈払い機を使って、地面に生えている雑草を取り除きます。
  2. 不要な木の伐採: チェーンソーを使って、工事に必要ない木を切り倒します。

伐開作業の特徴は、木を切った後にその根を取り除く「除根」と一緒に行うことです。これにより、土地がきれいになり、工事がスムーズに進められるようになります。

支障木の伐開幅は必要最低限にし、計画の変更に柔軟に対応できるように、先行伐開は行いません。伐倒は土工作業と連携し、バックホウのアームが届く範囲内で順次行います。重機を使って伐倒した木の処理を迅速に行うことで、作業の効率を高めます。

伐倒は原則として斜面の下方に向かって行います。伐倒した木は、作業の進行を妨げない限り、そのまま林内に押し込んでおき、作業道の施工が完了した後に集材を行います。伐倒の方向や伐倒木の処理については、後の集材作業が行いやすいように配慮します。また、伐倒手順は「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」に従い、安全に留意して行います。

支障木として伐倒した木のうち、用材として出荷できないものは、丸太構造物や路盤工、路面排水溝などの工事資材として、できるだけ現地で利用します。

林床を覆っている有機物の層は、掘削作業の前にすべて取り除きます。この取り除いた表土は、路体(道路の基盤部分)に使うと強度が足りなくなるため、路面や路盤の直下、また盛土の内部には使用しません。

土工範囲内にある伐根は原則としてすべて掘り起こして取り除きます。特に路盤の下に伐根を残すと、車両の繰り返し走行によって路面に露出し、足回りを傷めたりスリップの原因になるため、必ず取り除いて処理します。

掘り起こした伐根は、盛土法尻に据え置くか、表土ブロック積みと併用して土羽から路肩へかけて積み置きます。いずれの場合も、確実に床固めと転圧を行い、十分に安定させることが重要です。なお、盛土路体内への埋設は原則として行いません。



作業道を造成する際には、「半切り・半盛り」を基本に進めます。まず、「切土」と「盛土」について説明します。

切土とは、高い地盤や斜面を削って低くし、平らな地面を作る工事です。切土の特徴は、元の地盤を削り取るため、全体的に均質でしっかりと締まっています。山地や丘陵地では、元々地盤が良いことが多く、切土で取り除いた土も質が良いとされています。そのため、切土した地域は災害の影響を受けにくいです。

切土法面(切り取った斜面)の高さは、直角に近い形で作る場合、おおよそ1.5m以内にします。それ以上になる場合は、1:0.6の緩やかな勾配にし、最大でも高さを3m以内に抑えます。また、高い切土が連続しないよう注意が必要です。

切土法面は特に整える作業は行いませんが、車両の通行や作業の邪魔になる根や浮いている石は取り除きます。

盛土とは、低い地盤や斜面に土を盛り上げて高くし、平らな地面を作る工事です。盛土の特徴は、盛り上げた土でできているため、災害に弱い一面があります。特に、転圧(締め固め)や地盤改良が不十分な場合、軟弱な地盤になりやすく、地震や豪雨時には沈下や崩壊が起こることがあります。

新しく盛土された地盤は、一般的に3年から5年で沈下や圧縮が落ち着くと言われていますが、石や木などの混入物があると内部に空洞ができたり、安定に時間がかかることがあります。この点に注意しながら工事を進めることが重要です。

盛土の施工は表土ブロック積み工法を基本とします。

「表土ブロック積工法」は、従来捨てられていた表土や根株を、土を盛った斜面(法面)の補強や緑化に活用する方法です。

林地の表土には、草木の種や養分が豊富に含まれており、繊維質の潅木や草の生きた根もたくさん含まれています。この表土は、地元の植物の種だけが含まれているため、森林の生態系に悪影響を与えず、自然のままの緑化資材として利用できます。

表土にはたくさんの埋土種子が含まれているため、剥ぎ取った表土は土手や路肩の植生を復活させるために使います。表土ブロック積み工法では、剥ぎ取った表土を丁寧にすくい取り、そのまま路肩に敷いて圧縮し、この作業を繰り返して積み上げていきます。

この表土を法面に利用することで、雨水による浸食を防ぎやすくなり、さらに早く植物が生えそろって緑化が進む効果が期待できます。

切土と盛土の境界線近くは特に慎重に扱う必要があります。このエリアは地盤事故が発生しやすい場所です。盛土部分が変形する一方で、切土部分は変形しないため、地盤に段差ができ、建物が傾く可能性があります。

急勾配の傾斜地に作業道を造成する場合は、段切りを行い、盛土と元の地盤をしっかり結びつけて滑り落ちを防ぎます。また、元の地盤と盛土の境界部分では、急激な地盤の変化を避けるために切土のすり付けを行い、しっかりと締め固めます。

建設用語では「段切り段盛り」と呼ばれ、切土を最小限に抑え、幅員も少なくすることができます。

作業道を造成する際に「半切り・半盛り」で盛土部分が多くなる場合は、のり面の補強のために構造物で補強します。

受講生の皆さんが相談しながら、作業道を造成することができました。

「フォレストリー・ラボ」では、初めてチェンソーや刈り払い機を使う方でも、安全に木の切断作業ができるようになるためのサポートを提供しています。


あなたにぴったりのチェンソーや刈り払い機の選び方から始めて、使い方やメンテナンス方法、安全な取り扱い方法、効果的な作業手順など、必要な知識と技術を一から丁寧に教えます。特に、危険性のある作業だからこそ、安全で確実な技術を身につけることを重視しています。

初めてチェンソーや刈り払い機を使う女性の方でも、安心して木の切断作業を行えるよう、分かりやすく丁寧にサポートいたします。あなたのニーズや目標に合わせたカスタマイズされた指導を通じて、自信を持って作業に取り組むことができるようお手伝いいたします

また、フォレストリー・ラボでは、伐木などの業務特別教育と刈り払い機の取り扱い安全衛生教育も提供しており、これらの教育を修了された方には修了証をお渡ししています。この学んだ知識や技術は、本業としても、副業としても有効に活用できます。

さらに、基本技術から応用へ中級者のための超実践的林業実践講座として、「フォレストリー・ラボ 中級」では初級で得た知識と技術を応用し、さらに難しい技術を実践していきます。チェンソーのキャブレターの分解・清掃、昇柱器と使った木登り、大径木の伐木など本業として使える技術を習得できます。また、里山資源を活用できるように軽トラックが入れる幅の作業道開設の基本をお教えします。

また、フォレストリー・ラボ 中級の中で小型車両系建設機械の安全衛生教育行い、受講された方には修了書をお渡ししますのでここで学んでいたことを本業としても副業としても活用していただけます。


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