カーポート直上の樫を安全に降ろす ― 吊り切り技術とチーム連携


https://www.instagram.com/iwasakiforestry/reel/DYQdZoLy9XF

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2026年5月3日に開催されたフォレストリー・ラボ中級講座では、住宅裏にある雑木林での樫の木の枝下ろしおよび伐木作業をテーマに、実践的な安全技術とチーム連携について学びました。

今回の講習現場は、住宅地に隣接した急傾斜地です。現場には高さ5〜6mほどの樫の木が立っており、その真下にはカーポートが設置されていました。通常の伐木作業のように枝や幹をそのまま落下させることはできず、ロープを活用した「吊り切り」によって安全に枝を降ろす必要がありました。

このような現場は、森林整備の中でも特に高度な判断力と安全管理能力が求められる作業です。受講者たちは実際の現場条件の中で、危険予測と安全確保を意識しながら作業に取り組みました。

急傾斜地という厳しい作業環境

今回の作業地は、ほぼ直角とも感じられる急斜面で、足場の確保が非常に難しい環境でした。地面は不安定で滑りやすく、わずかな体勢の崩れが重大事故につながる可能性があります。

そのため作業前には、

* 作業導線の確認

* 落下物の危険範囲設定

* ロープ配置

* 退避場所の確認

* 地上班と高所班の役割分担

などを丁寧に確認し、安全ミーティングが行われました。

受講者たちはヘルメット、チェーンソー防護ズボン、安全帯などを着用し、安全装備を整えた上で作業を開始しました。現場では常に声を掛け合いながら、周囲の状況を共有し、慎重に進行していきます。

高所作業とロープワーク

高所作業者はロープを利用して樹木へ登り、枝の状態や荷重バランスを確認しながら作業を進めました。

今回特に重要だったのが、「枝をどの方向へ、どの速度で降ろすか」というコントロールです。

枝の真下にはカーポートがあるため、わずかな落下ミスでも破損事故につながります。そのため枝を切断する前にロープで保持し、地上班がテンションを調整しながらゆっくりと降下させる「吊り切り」が行われました。

この作業では、

* 枝の重心を読む力

* ロープの摩擦コントロール

* 切断時の枝の動き予測

* 作業者同士のタイミング

* 合図とコミュニケーション

が非常に重要になります。

枝は切断した瞬間に予想外の方向へ動くこともあるため、作業者は常に緊張感を持ちながら作業していました。

「切る技術」ではなく「安全に降ろす技術」

今回の講習で印象的だったのは、単純に木を切るのではなく、「安全にコントロールしながら降ろす」という考え方でした。

森林整備では伐木技術が注目されがちですが、住宅近接地では周囲への影響を最小限に抑えることが最優先となります。

特に今回のように、

* カーポート

* 住宅

* 周辺樹木

* フェンス

* 電線

* 斜面下の作業者

などが存在する環境では、一本の枝でも危険物となります。

そのため受講者たちは、単にチェーンソーを扱うだけではなく、「枝をどう保持するか」「どこへ誘導するか」「どうすれば衝撃を減らせるか」を実践的に学びました。

地上班の重要な役割

高所作業が注目されやすい一方で、地上班の役割も非常に重要でした。

地上班は、

* ロープ操作

* 安全確認

* 周囲監視

* 落下物管理

* 枝の整理

* 搬出作業

を担当し、現場全体の安全を支えていました。

特にロープ操作では、高所作業者との呼吸が重要になります。ロープを強く張りすぎれば枝が跳ね、逆に緩すぎれば急落下につながります。

地上班は高所作業者の動きを見ながら、適切なテンションを維持し、枝を安全に誘導していました。

また、斜面下では切り下ろした枝の整理や搬出も同時進行で行われ、作業動線を確保することで次の工程へスムーズにつなげていました。

実践だからこそ学べる判断力

今回の講習では、教科書だけでは身につかない「現場感覚」を学ぶことができました。

実際の現場では、

* 木の癖

* 枝の重量

* 重心移動

* 地形

* 足場

* 天候

* 作業者の位置

など、多くの要素を瞬時に判断する必要があります。

特に樫の木は硬く重量があるため、切断時の反動や荷重変化も大きく、慎重な作業が求められます。

受講者たちは、経験者の動きや判断を間近で見ながら、現場で必要となる「危険予測能力」や「安全意識」を深く学んでいました。

チーム連携が安全をつくる

今回の講習を通して強く感じられたのは、「一人では安全な作業は成立しない」ということです。

高所作業者だけではなく、

* ロープを操作する地上班

* 周囲を監視する補助者

* 枝を整理する作業者

全員の連携によって安全が成り立っていました。

互いに声を掛け合い、状況を共有しながら進めることで、危険を未然に防ぎ、効率よく作業を行うことができます。

講習ではありながら、実際の特殊伐採現場さながらの緊張感があり、参加者たちにとって非常に実践的で貴重な経験となりました。

次回のラボ初級は6月7日です。

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