1間伐の目的・効果
私たちの国は、国土の約三分の二が森林で覆われており、世界でも有数の森林国です(国土38百万ヘクタールのうち、約25百万ヘクタールが森林)。これらの森林は、水源地の保全や国土の安定に貢献し、私たちの生活をより快適で安全なものにしています。また、森林は地球温暖化の防止や木材などの林産物の供給においても重要な役割を果たしています。
森林の土壌はスポンジのように雨水を吸収し、水質を浄化する役割を持ちます。この機能は洪水や干ばつを軽減し、河川に水を徐々に供給することによって実現されます。樹木の根は土砂や岩石を固定し、土壌の侵食や流出を防ぎます。さらに、樹木や葉が地面を覆い、下草や低木、落ち葉が土壌を保護します。
加えて、森林の樹木は大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を蓄積することで地球温暖化の防止に寄与します。
森林は多様な重要な機能を持っており、「森林の多面的な機能」とは以下のものを指します:
- 木材やキノコなどの資源の供給
- 景観や歴史的な美しさの提供
- 生物多様性の維持
- 快適な環境の創出
- 健康やレクリエーションのための空間の提供
これらの機能を通じて、森林は私たちの生活と自然環境を支え、豊かにしています。
間伐は、植林された木が密集しすぎた際に、選択的に木を伐採する作業です。これにより、残った木々が健康的に成長し、森林の健全性と持続可能性が促進されます。
木々の密度を適切に管理することで、風雪害や病虫害に強い森林を育てることができ、残った木々の成長を促進します。間隔を保つことで林床に日光が届き、豊かな植生が育ちます。これは土壌の侵食や流出を防ぎ、多様な生物の生息地を提供し、生物多様性の保全に貢献します。間伐は通常、秋から冬にかけて行われます。
間伐により、適度な日光が木々に届き、成長が促進されます。間伐された木々は、太く健康な幹と枝葉を持ち、より良い成長を遂げます。成長が促進されると、光合成が活性化し、より多くの二酸化炭素を吸収できるようになります。これは地球温暖化防止にも寄与します。
苗木を植えてから15~20年経つと、木々は成長し森が密集してきます。このままでは、枝葉が絡み合い根が広がらず、木々の健全な成長が阻害されます。そこで、木々の間隔を保つために間伐を行います。
間伐がなされない暗い森林では、地表が露出し、雨水で土壌が流出しやすくなります。これは根の露出や土砂崩れなどの山地災害のリスクを高めます。
間伐されない密林では、木々の成長が制限され、二酸化炭素の吸収が減少します。日光不足で土壌が栄養を失い、下草の成長も妨げられ、木の根が十分に育たないことがあります。その結果、木々の下部が枯れ、全体として弱い状態になり、風雪の被害を受けやすくなります。
適切な間伐が行われない森林では、樹冠や根系の成長が制限され、立木の太さが不均一になり、形が悪い木や枯れ木が増えます。根系が小さい木は土壌を保持できず、降雨時の山腹崩壊や強風・雪による倒木のリスクが増大します。
日本の森林面積の約40%(1000万ヘクタール)は多くのスギやヒノキの人工林で戦後に造成され、柱材に適した木材を供給するために植えられ、通常は40〜60年で伐採される予定でした。しかし、伐採時期が来て間伐材の販売からの収入も期待されていますが、コスト、人手、技術者の不足などの問題が間伐作業を困難にしています。間伐は林業にとって不可欠な作業であり、木々の健全な成長と価値のある木材の生産を促進するものです。
2間伐方法
間伐には、定性間伐と定量間伐の二つの主要な方法があります。
定性間伐では、選択された木を優先し、下層木(劣勢木)を伐採する下層間伐と、上層木(優勢木)を伐採する上層間伐に分けられます。
一方、定量間伐は、選木よりも間伐率を基準にして機械的に伐採を行う方法です。列状間伐はこの方法の典型的な例です。
間伐のタイプは、林分内で主に伐採される木の大きさによって、主に4つのタイプに分類されます。
- 下層間伐: 劣勢な樹勢の下層木を順に伐採し、優れた形質の森林を形成します。
- 上層間伐: 上層木の中で平均的な大きさの木を伐採し、一度の間伐で量を増やすことができますが、密度の管理が複雑になります。
- 択伐的間伐: 択伐的間伐(なすび伐り)は、利用可能な木材を優先して伐採する手法で、特定の直径以上で、所定の形状とサイズを満たした木を選んで伐採します。この手法では、優勢木や準優勢木が主に伐採され、間伐後には劣勢木が残ることが多いです。
- 列状間伐: 樹木の優劣に関わらず列状に伐採し、コストを削減できますが、圧迫されている木の伐採が残存列で必要になります。
一般的な間伐タイプとしては、下層間伐が広く採用されており、初期の間伐では下層間伐を行い、後期には上層間伐や択伐的間伐を取り入れることがあります。
<主な間伐方法と特徴>
| 方法 | 方法の例 | 間伐対象木 | 間伐実施後の状況 | 特徴 |
| 定性間伐 | 下層間伐 | 劣勢木や欠点のある木 | ・優勢木が残り、配置は均等になります。 | ・間伐は主に下層木(劣勢木)を対象とするため、その時の収益は低くなります。間伐後は木々の形質が均一になり、形状比が小さくなります。下層間伐による直径成長の促進効果は低い傾向があります。伐採された木はしばしば捨てられることがあります。収穫しない場合は、保育間伐と呼ばれます。また、上層の暴れ木(暴領木)を除去することで、林木の個体サイズを一定範囲内に保つことができます。短伐期に皆伐を行う場合、生産目標(銘木生産、並材生産など)に応じて適切な素材を生産することが可能です。下層間伐の主な利点の一つは、残存木の成長を促進することにあります。一部では、他の方法に比べて効果が劣るとの意見もあります。それは、間伐をせずに自然に任せた場合、結局は枯れ木を早期に取り除くことになるからです。しかし、間伐によって選択伐が容易になり、残存木を均等に配置しやすくなるという利点もあります。さらに、間伐は台風などの気象災害に対する安全性を高める効果があります。 |
| 上層間伐 | 優勢木、暴れ木 | ・劣勢木が残り、残存木の配置が不均一です。 | ・間伐は、主に上層木(優勢木)を対象に行われるため、その時点での収益が高くなります。林型が整っていない林分では、間伐後に森林の経済価値が低下し、健全性が損なわれるリスクがあります。そのため、過去に適切な間伐が行われていた林分での実施が望ましいです。 | |
| 択伐的間伐 | 一定の径級以上や規格に達した林木 | 残存木は不均一 | ・間伐は、主に上層木(優勢木)を対象に木材として使用可能な大きさに成長した木のうち、約30%以下を選択的に伐採します。優勢木以外の木が特に多く残り、配置も不均一になります。 | |
| 定量間伐 | 列状間伐 | 伐採列のすべての木 | ・残される木々は、形や特性に関係なく、直線的に配置されます。 | ・定量間伐は、選木にかかる時間を短縮し、列状に伐採することでかかり木の発生を減らすことができます。経済的合理性や労働安全性を理由に採用されることもあります。機械的な選木により、優勢木と劣勢木の比率は間伐前後で変わりません。また、伐採した列は次回の間伐時の搬出にも利用できます。 |
間伐の方法は、森林経営の戦略、生産目標、および目指す林型に基づいて選ばれます。例えば、一般材の生産や高品質材の生産、目標とする直径サイズの設定などが考慮されるでしょう。また、間伐後の気象条件による被害リスクも考慮する必要があります。
しかし、これらの方法は単なる一例であり、特定の方法に限定されるわけではありません。複合的なアプローチも考えられます。たとえば、1回の伐採で3本を残す列状間伐と、残存木の列での下層間伐を組み合わせる方法です。
重要なのは、間伐ごとに同じ方法を用いる必要はなく、森林の成長段階や目標に合わせて最適な間伐方法を選択することです。
3間伐の計画においての林分密度管理図の見方
間伐の計画において、林分密度管理図は有用です。これは森林の成長段階に応じた樹木の密度や材積を示す図で、地域や樹種に応じて作成されます。この図を利用することで、立木の密度、平均樹高、平均直径、幹の材積など、収穫予測に必要な情報を得ることができます。
林分密度管理図は、林分密度と木の成長の関係に基づいて作成され、施業方針に基づく間伐のタイミング、頻度、及び間伐率の決定に役立ちます。

林分密度と木の成長の関係は以下の通りです:
樹高: 密度に関わらず、立地条件によって一定の成長をします。
直径: 密度が高いほど、胸高直径の成長と木の材積の平均が小さくなります。
密度: 密度が高い林分では、成長に伴って劣勢木が自然に間引かれます。最大密度には限界があり、木の大きさによって適切な密度が変わります。
材積: 一定の密度まで、密度が高いほど単位面積あたりの材積の合計が増加します。密度が閉鎖した林分では、材積の生産量は密度に関わらずほぼ一定です。
形質: 密度が高いほど幹はより完全な形をし、密度が低いほど梢が死んで筍型になります。また、密度が高いほど下枝は細く早く枯れ、年輪の幅が狭くなります。
林分密度管理図は、成立本数、平均樹高、平均胸高直径、幹材積合計などの数値間の関係を一枚の図に示します。この図を使用することで、生産目標に合わせた適切な間伐方法を検討できます。

密度管理図の使用方法は以下の通りです:
林分の構成数値を求める:平均樹高と本数密度から平均胸高直径と幹材積を算出します。
間伐方法を検討する:間伐林分の平均樹高と本数密度を調べ、管理図と比較します。これにより、間伐の緊急性や目標とする胸高直径の成長を確保するための間伐率、繰り返し期間を判断します。
収穫量を予想する:定めた間伐方法に基づき、間伐木や主伐木の大きさ、収穫量を予測します。
林分密度管理図の見方:
等平均樹高線(等樹高線):
特定の上層樹高における、1ヘクタールあたりの木の本数と幹の材積の関係を示します。
間伐を行うと、この線に沿って木の本数と材積が減少します。
自然枯死線:
植栽密度による競争で自然に木が枯れる過程を示します。
間伐を行うと、この線に沿って木の本数が減少します。
最多密度線:
密度が増えると一つの直線に収束する自然枯死線です。
各等平均樹高線ごとに、林分が達することのできる最大密度を示します。例えば、20mの平均樹高の場合、最多密度は2,000本/haです。
等平均直径線:
特定の平均樹高と密度における平均胸高直径を示します。
等樹高線と交わる点がその樹高における胸高直径です。
等収量比数線:
最多密度線(Ry=1.0)に平行な線です。
収量比数(Ry)は、最多密度の林分幹材積を1とした場合の他の密度の林分の幹材積の比率を示します。
最多密度線に近いほど、密度が高いことを意味します。
収量比数による密度管理は、高密度の場合はRyを0.8、中密度はRyを0.7、低密度はRyを0.6と設定します。
林分密度管理図を用いた具体例を以下に示します。
初回の間伐:
植栽時に3,000本/haを植えた場合、平均樹高が7.5mに達した時点で自然枯死により2,850本が生存し、平均胸高直径は10.5cmです。
初回の間伐で490本を伐採し、伐採率は17%とし、間伐後の生存本数は2,360本、収量比数は0.55になります。
二回目の間伐:
平均樹高が10.5mの時、生存本数は2,250本で、収量比数は0.70です。
この間伐で320本を伐採し、伐採率は14%とし、間伐後の生存本数は1,930本になります。
間伐後の密度は約0.65に減少し、材積は195m³/ha、平均胸高直径は14.5cmになります。
三回目の間伐:
樹高がさらに3m成長し、13.5mに達した時に行う間伐では、同じ手順を踏みます。
この間伐後の予測では、生存本数は1,340本/ha、材積は270m³/ha、平均胸高直径は19.0cmになります。
四回目の間伐:
60年の伐期で主伐を行う際には、生存本数は約910本/ha、材積は550m³/ha、平均胸高直径は27.5cmと予測されます。
以上の通り、林分密度管理図を活用して植栽本数や間伐率を調整し、林分の密度と成長を適切に管理します。
4林木の密集度を表す指標について
林木の密集度を客観的に評価するための指標は、すべて樹高を基準にしています。樹高成長は密度の影響を受けにくく、林木(上層木)の発達段階を示すのに適しています。
収量比数(Ry)は林分の密度を客観的に評価する指標です。その定義は、林分密度管理図における最多密度曲線に対する相対的な密集度(材積比)を示し、値は0から1の範囲で表されます。林分密度管理図は、各地域や樹種に応じて作成され、林分の密度を示す図です。平均上層樹高と本数密度を林分密度管理図から読み取り、最多密度曲線の数式が分かれば、それによって計算も可能です。収量比数が0.8以上であれば密と判断し、0.6以下であれば疎と判断します。ただし、林分密度管理図は主に短伐期施業に適しており、標準伐期齢の2倍を超える林分では参考に留めるべきです。本数密度を基にしているため、間伐による成立本数の減少は収量比数の減少につながり、収量比数の変動は間伐強度の指標として用いられますが、これは下層間伐に限られます。
相対幹距比(Sr)は、混み合い度を客観的に評価する指標の一つです。上層木の平均樹高に対する平均個体間距離の割合を示し、平均個体間距離は本数密度から求められます。計算方法は、平均個体間距離(m) = (10000 / 本数密度(本/ha))1/2 の式を用いて計算します。相対幹距比が20%程度であれば適切な混み合い度とみなし、17%以下では間伐が必要であり、14%以下では早急に間伐が必要です。高齢林の過密の判定基準は、最近の研究で15%が適当であるとされています。収量比数と比較して、樹種や地域ごとに林分密度管理図を用意する必要がなく、下層間伐に限定される制限もないため、汎用性が高い指標です。ただし、平均樹高が高い林分では、本数密度の変化に対する相対幹距比の変化が小さい傾向があり、高齢林で相対幹距比を混み合い度や間伐量の目安に利用する際は慎重に注意する必要があります。
形状比(H/D)は、個々の林木の形状を評価する指標で、樹高(cm)を胸高直径(cm)で除した値です。形状比は単位(%)を付けず、林木の過去の成長過程を示し、主に競争の結果を反映します。形状比が80を超えると風害や冠雪害に対する危険性が高まり、100を超えると非常に危険です。高齢林では、形状比を60~70以下を目標とし、林木の安定性を高め、風害や冠雪害のリスクを軽減することが期待されます。
樹冠長率は、樹木の樹高に対する樹冠長の割合を表し、樹木の過去の成長過程を示す指標です。樹冠長率が40%以下の場合、林木が混み過ぎていると考えられ、林内の競争が激しく、各樹木が健康な成長を妨げていることを示唆します。樹冠長率が20%以下になると、樹高成長が低下する可能性が指摘されています。
これらの指標を使用するには、まず正確な樹高の測定が必要です。単一の指標だけでなく、複数の指標を組み合わせて使用することが推奨され、収量比数、相対幹距比、形状比、樹冠長率などの複数の指標を総合的に評価することで、林分の混み具合をより正確に把握し、適切な管理や間伐の計画を立てることができます。
5間伐の時期・頻度
間伐のタイミングと頻度について、明確に説明します。
・初回間伐と最終間伐のタイミング:
初回間伐は、下刈り完了後3~5年を目安に実施されます。樹冠が閉じ、林床の植生が減少した時が開始の合図です。通常、17~20年生の木がこれに該当します。
最終間伐は、主伐期の目標収量比数が回復することが見込まれる時期、つまり主伐の約10年前が目安です。
・間伐の周期:
間伐は、林床の植生が減少し始めた時期に適しています。前回の間伐から5~10年の間隔で行われるのが一般的ですが、地域による冠雪害や風害のリスクを考慮する必要があります。
・間伐の度合いと回数:
間伐の度合いは、収量比数を0.15以内に抑え、間伐後の収量比数を最低0.5に保つことが目標です。
間伐率が低すぎると、次の間伐が早まり経済的負担が増えます。本数間伐率は20%以上が望ましいです。
間伐の回数は、林分の本数や成長状況により異なりますが、スギでは一般に4~5回が目安です。実際の林分状況に応じて調整が必要です。
このように、間伐のタイミングと頻度は、林分の成長や経営目標に合わせて適切に管理されるべきです。
6林床の植生から見る林木の状況
林床の植生を観察することにより、間伐が必要かどうかを判断することができます。
最も明るい林分:ヨモギやススキなど、日光を好む植物が散見されます。これは林分の光環境が適していることを示しています。
林縁や明るい場所:オオバクロモジやミツバウチなどの植物が生育しています。これらの場所は、林縁や道沿いで明るく、適切な光量が得られていることを意味します。
適度な林分:クロモジやツギなどの植物が均一に育っています。この状態は、林分の光環境が適度であることを示唆しています。
暗い林分:アオキやヒメアオキなどの耐陰植物が主です。これは林分が暗く、光が不足しているか、下草が少ないことを示しています。
このように林床の植生を観察することで、林分の光環境や密度を評価し、間伐の必要性を判断することが可能です。
7間伐の際の状況把握
間伐を行う前には、現地の状況をしっかりと把握することが必須です。土壌の状態、積雪の有無、過去の管理履歴など、林分ごとに異なる要因を踏まえて、間伐計画を立てる際には以下の点を考慮する必要があります。
生育状況の評価: 林分の成長具合を調べ、期待される成長が実際に起こっているかを確認します。
生産目標の明確化: 木材や収益の目標を設定し、それに合わせた間伐の方法や規模を決めます。
収入の予測: 間伐による収入の可能性を評価します。
これらの要因を総合的に考慮し、効果的な間伐計画を策定することが肝心です。
【主要指標数値及び計算方法】
上層樹高(H):
圧迫木や枯死木を除く調査木(1・2級木)の平均樹高です。
平均胸高直径(D):
調査対象全木の平均直径です。
本数密度(ρ):
調査対象全木及び間伐候補木の本数を1ha当たりに換算した値です。
幹材積(V):
人工林の立木幹材積表を参照し、調査区内の総材積及び間伐候補木の材積を求め、1ha当たりに換算します。
収量比数(Ry):
林分密度管理図を用いて、上層樹高、平均胸高直径、及び本数密度から収量比数を算出し、必要に応じて実測値に補正を加えます。
間伐尺度(d):
間伐前の平均直径によって除算された間伐木の平均直径です。
樹型級別本数(Fn):
樹型級別の本数合計を計算します。
直径度数分布(Dn):
胸高直径階別(2cmごと)に、間伐前、間伐木、間伐後の構成本数の度数分布を作成します。
形状比(k):
樹高を胸高直径で除した値の平均を求めます。
これらの指標は森林管理における重要な情報源となります。
データに基づいて間伐量を決定する際は、様々な指標を分析し、林分の成長や密度を評価します。次に、適切な間伐木を選ぶ方法を考え、生産目標や施業方針に沿った間伐方法を選択します。間伐後の林相が望ましい状態になっているかも検討し、最終的に間伐計画を策定します。
成長と収穫の予測において、上層樹高(H)は重要な指標となります。この指標を地位級別樹高曲線に適用することで、調査された林分の位置(上・中・下)を判断できます。さらに、地位に基づく収穫予測を通じて、将来の生産目標達成や適切な間伐方法の選定が可能になります。
この方法により、林分の成長評価と収穫予測を基に、施業方針の確認や変更、施業方法の検討が行われます。
林分の込み具合を判断する際、収量比数(Ry)は重要な指標です。例えば、間伐前の収量比数が0.84であれば、林分は「過密」状態にあると判断されます。多雪地帯の場合、管理目標としてRyを0.7(中密度)に設定することが一般的です。
収量比数を基にすると、Ryを0.69(0.84-0.15)まで下げることができ、最大で800本/haの間伐が行えます。ただし、長期間間伐が実施されていない場合、急激な間伐は気象被害を招くリスクがあるため、短期間にわたる弱度間伐を繰り返す方法が適しています。
したがって、長期にわたり過密状態が続いている林分や、多数の間伐が必要とされる林分においては、疎開の影響を慎重に考慮し、間伐本数を決定することが求められます。
林分の特性を理解するには、樹型級別本数が有用です。実際の林分は上層と下層に分かれ、競争や自然要因で抑圧木や被害木が発生します。これらは間伐が少ない林分でよく見られ、間伐が多いと減少します。
「樹型級別本数」とは、森林調査において特定の樹木の樹型や成長状態を評価するための指標です。具体的には、樹木の外観や形態から、次のように級別されます:
1級木:上層林冠を占める木で幹に欠陥のない木。
2級木:上層林冠を占めているが幹に何等かの欠陥がある木(例:暴れ木、貧弱な木、幹曲がり、傷や腐れなど)。
3級木:上長成長が遅れて下層林冠を占めるが幹もまだ比較的健全な木。
4級木:被圧され元気がないがまだ枯れる程ではない木。
5級木:ほとんど枯れかかっているか、枯死したり倒れてしまった木。
このような樹型級別本数と樹木の成長状態を評価することで、森林管理や伐採計画に役立てられています。
初期間伐では不良木を中心に除去し、徐々に収益間伐へ移行します。樹型級別本数を分析すると、林分の各特性の構成が明確になります。
8実行上の留意点
実行上の留意点(初期の間伐):
初期間伐では、林分が急激に疎らになることを避けることが重要です。
下層木においては、抑圧された木、衰弱した木、曲がった木などを取り除きます。間伐材は、径級や形質が均一になるように調整します。
上層木については、乱成長している木や異常な枝付きを持つ木を間伐の対象とします。
(後期の間伐)
上層間伐を行い、間伐量を確保しながら生産コストを削減します。
収入間伐を実施する際は、団地化や共同施業を通じて作業効率を上げ、事業コストを低減します。
気象災害に関しては、形状比が80を超えると雪害や風害のリスクが高まります。林分調査では、形状比を測定し、林内及び隣接林分の雪害や風害による被害状況を把握します。もし間伐後に被害が発生する可能性が高い場合は、強度間伐による急激な変化を避け、数年後に再度弱度間伐を行うなどの対策を検討します。
林分内で混在する広葉樹に関しては、伐採期までの成長を妨げるものは間伐対象としますが、一般的に有用な広葉樹は保持されるべきです。また、森林の生態系を考慮し、下層に生育する灌木類は、林木や間伐作業に影響がない限り、保護されることが望ましいです。
