三つ打ちロープの編み込み技術と丸太七輪制作 ― 自然と共にある暮らしの学び


3月16日にフォレストリー・ラボ初級が開催されました。

今回のラボの内容は午前中は「ロープのアイスプライス、ショートスプライス」の作り方をお教えしました。

◆ アイスプライスとは?

アイスプライスとは、三つ打ちロープの先端に「固定された輪(アイ)」を作るロープ加工の一種です。ロープの構造を活かして編み込むため、強度が非常に高く、ほどけにくいという特徴があります。
結び目を作らずに輪を固定するので、耐荷重の低下が少なく、林業や登山、船舶、レスキューなど多くの分野で使われています。

◆ 使用するロープ

**三つ打ちロープ(3本撚り)**が最も一般的です。
直径は10~14mm程度が扱いやすく、作業用としても十分な強度があります。材質はナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどがありますが、林業用途では強度と耐摩耗性のあるものが理想です。

◆ 必要な道具

  • 三つ打ちロープ
  • テープ(ストランドの仮止めやマーキング用)
  • 油性ペン(目印用)
  • ハサミまたはカッター
  • スプライシングフィッド(先の細い棒。千枚通しなどでも可)

◆ 作業手順(詳解)

① ロープの先端をほどく

  • ロープの先端から30〜40cmほどをほどきます。
  • 撚り(ストランド)3本に分かれた状態になります。
  • 各ストランドの先端にテープを巻いておくと、ばらけず作業しやすくなります。

② 輪(アイ)の大きさを決める

  • 作りたい輪のサイズを決め、ロープを折り返して本体に沿わせます。
  • カラビナを通すなら10〜15cm程度の輪が目安です。

③ ストランドの編み込み準備

  • ロープ本体の撚りの隙間に、ストランドを1本ずつ編み込んでいきます。
  • 最初の1回目の差し込みが最も重要で、ストランドを順番に、1本ずつ交互に(オーバー・アンダー)差し込むことがポイントです。

④ 3回以上編み込む

  • 1周終えたら、同じ順序でさらに編み込んでいきます。
  • 通常、3回で最低限の強度5回以上でよりしっかりした仕上がりになります。
  • 編み込むたびに、きつく締めながら整えることが重要です。ゆるいとほどけやすくなります。

⑤ 編み終わったら末端処理

  • ストランドの末端はロープに沿ってカットし、必要に応じてライターなどで焼き止めします。
  • 見た目を整えたい場合は、編み込み部に収まるようにストランドの先端を少しずつ細く削ってから差し込むと、テーパー状に仕上がって美しくなります。

◆ よくあるミスと対策

ミス原因と対策
編み込みが緩い毎回の編み込みでしっかり締める。指で押しながら整える。
ストランドの順番がバラバラ最初に1本ずつマークをつけておくと混乱しない。
強度不足最低でも3回、できれば5回以上編む。短すぎると危険。
輪のサイズが不正確折り返す前にメジャーで測るか、あらかじめ印をつけておく。

🪢 ショートスプライスとは?

ショートスプライスとは、2本の三つ打ちロープをつなぐ方法のひとつで、非常に強力で緩みにくい接続方法です。
結び目や金具を使わずに、ロープのストランド(撚り)同士を編み込むことで一体化させます。

🔧 特徴

項目内容
強度非常に高い(ロープの90〜95%の強度を保持)
使用ロープ三つ打ちロープ(3-strand rope)
太さの適正10〜14mmが扱いやすい
用途永続的なロープ接続(荷揚げ、牽引、固定ロープなど)
注意点ロープの接続部分が太くなるので、プーリー等には通しにくい

🧰 用意するもの

  • 三つ打ちロープ(同径の2本)
  • テープ(ストランドを仮止めするため)
  • マジックペン(目印つけ用)
  • カッターやハサミ
  • スプライシングフィッド(なくても可)

🪢 作業手順(詳しく解説)

① ロープの端をほどく

それぞれのロープの端から約30~40cmほどを3本のストランドに分けてほどきます
ストランドの先端にテープを巻いておくとバラけにくくなります。

② ロープ同士を交差させる

2本のロープをつなぎたい位置で交差させ、互いのストランドを相手のロープの撚りの隙間に差し込むようにします。

交互に編む順番は、片方のロープのストランドを1本ずつ相手のロープの撚りに「上から差し込む → 下にくぐらせる → 次の撚りへ」というようにします。

③ 編み込みを繰り返す(片側3~5回)

まず片方のロープの3本のストランドを、もう一方の本体に交互に3回以上編み込みます
1本ずつ順番に、撚りに合わせてしっかり差し込むことが重要です。

④ 反対側のストランドも編み込む

もう片方のロープのストランド3本も、同様に最初のロープの本体に編み込んでいきます。
左右対称になるようにしっかり編み込み、結合部が「編まれて1本のロープ」になったような状態にします。

⑤ 末端の処理

ストランドの先端をロープに沿って切りそろえ、必要があれば軽くライターで焼き止めします。
キレイに仕上げる場合は、最後の編み込み部分でテーパーをつけて滑らかに仕上げると美しいです。

✅ 強度と安全上のポイント

  • 最低でも片側3回以上の編み込みが必要(実用強度は5回が理想)
  • ロープ同士の太さが異なる場合は不向き
  • 接続部は若干太くなるため、滑車やカラビナに通せないことがある
  • 荷重をかける前に必ず引っ張って確認する

午後からは「丸太七輪」を作成の実践しながらお教えしました。

「丸太七輪」は、間伐材や松くい虫被害木を活用して作られた、災害時やアウトドアで役立つ多機能な木製コンロです。​

🔥 丸太七輪の特徴

1. チェーンソーだけで製作可能

従来の木製コンロは、芯をくり抜くためにホールソーやドリルが必要でしたが、丸太七輪はチェーンソーのみで加工できます。​これにより、伐採現場で直接製作でき、運搬や追加の道具が不要です。​

2. 優れた燃焼効率

上部のくぼみから側面に向かって斜め上向きに空気孔が設けられており、自然な上昇気流を生み出します。​これにより、火が安定して燃え、少量の燃料でも効率的な燃焼が可能です。​

3. 多用途な活用方法

  • 調理・暖房・照明:​キャンプや災害時の熱源として利用できます。
  • サイドテーブルや装飾品:​使用しない時は、底面を上にして設置し、装飾品を飾ったり、サイドテーブルとしても活用できます。
  • プランター:​使用後は土を加えてプランターとして利用することも可能です。​

🌳 環境への貢献

丸太七輪は、間伐材や松くい虫被害木といった、これまで有効活用が難しかった木材を利用しています。​特に、松くい虫被害木は水分が少なく松ヤニを多く含むため、火力が強く、熱源として非常に適しています。​このような木材の活用は、里山の再生や森林資源の有効利用に貢献します。​

詳細については、岩崎林業の公式ページをご覧ください。

フォレストリー・ラボ初級の全カリキュラムが無事に終了しました!

最後に、受講生の皆さんへ修了証をお渡しし、今年度のフォレストリー・ラボ初級はすべてのプログラムを終えることができました。

これまで熱心に参加してくださった受講生の皆さん、本当にありがとうございました!
皆さんと一緒に学び、体験を重ねた日々は、私たちにとってもかけがえのない時間となりました。


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