「電動vsエンジン式:草刈りに最適な刈払機を見極める!安全な操作方法まで徹底解説」


5月19日にフォレストリー・ラボ初級が開催されました。

この日のラボの内容は「刈り払い機の各種類に応じた使用目的・刈刃の種類、草刈りの安全な作業方法」を実践しながらお教えしました。

この度は、株式会社マキタと木工機械の中屋松太郎様のご協力により、マキタのバッテリー式刈り払い機と新ダイワのプロ用刈り払い機の展示と説明を行いました。

刈り払い機とは、肩にかけたり背負ったりして、両手でハンドルを操作し、チップソーや金属の刃を使用して生えている雑草を刈り取る機械のことです。

刈払機は動力源がガソリンであるか電気であるかによって、「エンジン式」と「電動式」に分類されます。

エンジン式草刈機(刈払機)は、無鉛ガソリンなどの燃料でエンジンを動かし、草を刈るための機械です。

電動草刈機(刈払機)は、電気を動力源として草刈り機のエンジンを動かし草を刈る装置です。電源コンセントを利用するタイプと、リチウムイオンバッテリーを用いた充電式のコードレスタイプが存在します。

各々には利点と欠点があります。簡潔にまとめると、以下のようになります。

電動式刈払機エンジン式刈払機
メリット作業音が静かパワフルなものが多いので、さまざまな刃を使うことができる
長い時間作業できる
デメリット1バッテリーの作業時間が短い
エンジン式に比べるとパワーが劣りやすい
ガソリンやオイルを混合した化石燃料を使用するため排気ガスを出す(2サイクルエンジンと4サイクルエンジンで混合の必要性が異なる)
作業音がうるさい

エンジン式の刈り払い機には、2サイクル(2ストローク)と4サイクル(4ストローク)のガソリンエンジンがあります。それぞれの違いは次のとおりです。

2サイクルエンジンでは、通常4つのステップが別々に行われていたプロセスが、同時に行われます。具体的には、「吸気」と「圧縮」、そして「爆発」と「排気」が同時進行しています。この連続するサイクルで動力を発生させます。構造がシンプルなため、小型化や軽量化がしやすく、幅広く使われています。

2サイクルエンジンの利点は、効率的な燃焼行程にあります。1回転する間にすべての行程を終えるため、非常に効率的であり、発生するパワーも大きく、瞬発力に優れています。また、シンプルな構造により軽量化が可能で、自分でメンテナンスすることもできるというメリットがあります。

4サイクルエンジンは、「吸気」→「圧縮」→「爆発」→「排気」という4つの工程を経て、一つのサイクルを完了します。このサイクルを繰り返すことで動力が生成されます。OHV(オーバーヘッドバルブ)と呼ばれるタイプでは、吸気バルブが燃焼室の上部にあります。一方、SV(サイドバルブ)と呼ばれるタイプでは、吸気バルブが燃焼室の側面にあります。

4サイクルエンジンの特長は以下の通りです。

  • 燃費がよい
  • 振動が少なく、振動障害が起こりにくい
  • 排気ガスに含まれる有害成分が少ない
  • 混合燃料を使用する必要がない

充電式草刈機は、バッテリーを動力源とし、雑草や細い木を刈り取る機械です。エンジン式やAC電源式よりも扱いが簡単で、初心者や女性にも好評です。

コードレスの充電式草刈機は、バッテリーを予め充電しておくことで、どこでも使える便利さがあります。ボタン一つでエンジンが起動し、軽量かつコードがないため、扱いやすいです。

充電式草刈機はかつて、作業時間が短くパワー不足という印象がありましたが、最近のモデルでは18Vや36Vといった高電圧が普及しています。これによって、より長時間の使用が可能で、パワフルな性能を持つ機種が市場に出てきています。

充電式の草刈機はモーターを動力としているため、従来の草刈り機に比べて音が静かで、周囲に気兼ねなく使用できる利点があります。特に夏の熱中症予防のため早朝に作業を行う際も、その静かさが近隣への配慮となり、ほとんど気を使う必要がありません。

充電式草刈機はバッテリーが消耗すると動かなくなるため、長時間の作業には不向きです。作業を継続したい場合は充電のために時間を割かなければならず、作業効率が落ちます。連続使用を考えるなら、予備バッテリーを準備する手もありますが、追加費用が発生します。

バッテリーの電圧は、充電式のパワーや連続して作業できる時間に直接関係しています。

バッテリー電圧特徴
18V対応する製品が多く、電動工具の種類も豊富に揃っています。
36Vパワフルで長時間使用できますが、やや重量が重たくなります。

対応する機種であれば、バッテリーをさまざまな製品で使い回すことができるのは非常に便利です。

今回はマキタ社より、40Vmaxバッテリー式刈り払い機の数種類をデモ機として展示していただきました。

マキタは電動工具を主力として多岐にわたる商品を提供する総合工具メーカーであり、100年以上の歴史を持ち、国内市場においては電動工具のシェアでトップを誇っています。

「マキタ」は世界的に愛される電動工具のトップブランドです。ドライバーやドリルで知られていますが、草刈機を含む園芸器具も高性能で種類が豊富、非常に人気があります。

マキタの充電式工具において重要なのは「バッテリーの互換性」です。同じ電圧のバッテリーならば、草刈り機だけでなく、チェーンソーやブロワーといった他の充電式工具にも交換して使用可能です。

複数の工具に対応しているため、新しい工具を購入する際にバッテリーを再購入する必要がなく、コストを抑えることができます。

モデルの選択肢が豊富で、40Vバッテリーには200モデル、18Vバッテリーには390モデルの製品が互換性を持っているため、必要な工具をマキタ製品で揃えるユーザーが増加しています。

マキタの充電式草刈機は、エンジン式草刈機に匹敵するトルクと軽量性を実現するため、独自に開発された高性能ブラシレスモーターを搭載しています。

ブラシレスモーターは、その名が示す通り、内部にブラシを持たないため、ブラシの交換やメンテナンスが不要で、長寿命が期待できる特長を持っています。

ブラシレスモーターはブラシやコミュテーターの接点が不要であるため、モーターを小型軽量化することが可能です。これにより、工具のサイズと重量を減少させることができます。

ブラシレスモーターは、非接点で電気エネルギーを回転エネルギーに変換するため、エネルギー効率が非常に良く、長時間の作業が可能です。

充電式草刈機を使用する際、急な雨での故障が心配なことはよくありますが、マキタの充電式草刈機は「APT(アプト)」という防水防塵機能を備えており、雨に濡れても問題ありません。

また、40Vモデルには「ウェットガード」が装備されており、防水保護等級「IPX4」の規格に準拠した本体構造を採用しているため、急な雨が降っても安心して使用できます。

草刈機使用時の注意点の一つに、刃が跳ね返る「キックバック」があります。障害物に刃が当たると、機械が反動を示し、作業者が怪我をする可能性があります。

しかし、マキタの充電式草刈機は、このような事故を防ぐ安全システムを備えています。「AFT」と呼ばれるこのシステムは、キックバックによる回転数の急減を検知し、直ちに刃を停止させる機能を持っています。これにより、より安全に草刈り作業を行うことができます。

使用中の草刈機では、刃の上部や飛散防止カバーに草が絡むことがよくあります。しかし、マキタの充電式草刈機を使用すれば、手元のボタンで刈刃を低速で逆回転させ、絡んだ草を容易に取り除くことが可能です。

草刈機のグリップには、主に3つのタイプが存在します。

両手(U字)ハンドル:平坦で広い場所での作業に適しており、安定して長時間作業するのに向いています。
ループハンドル:斜面を含む様々な場所での使用に適したオールラウンダーです。
ツーグリップ:斜面や緻密な作業に適していますが、腕への負担が大きくなります。

U字ハンドルとは、肩掛けストラップを使用して刈払機を腰に下げたり固定したりし、棹に取り付けられた突出したハンドルを両手で握るタイプのハンドルです。

U字ハンドルは、刈払機の重さを肩で支え、腕への負担を軽減します。そのため、無理な姿勢をとらずに振り回し作業が容易になります。平地や緩やかな斜面での作業に特に適しています。

U字型ハンドルは、刈払機の操作を制限することで作業者が足を誤って切るリスクを減らし、比較的安全な選択となります。さらに、棹とハンドルの間隔があるため、振動が他の形状のハンドルよりも少なく、作業の快適性が高まります。ただし、ハンドルが大きいため、付属品も長くなり、他のタイプのハンドルに比べて重量が増します。

ループハンドルは、両手ハンドルに続いて一般的なハンドルの形状です。棹に取り付けられた円形のハンドルを左手で持ち、右手で棹にあるラバーグリップを握って作業を行います。

ループハンドルは、握る位置を調整することで角度を安定させ、平坦地から傾斜地に至るまで幅広く対応可能です。操作の自由度が高く障害物への対応も容易ですが、刃先が作業者に近づきやすいため、誤用は危険を伴います。さらに、ハンドルが棹に固定されているため、振動が直接伝わる形状になっています。

また、草刈機の重量が主に腕で支えられるため、腕にかかる負担が増加します。重さは両手ハンドルより軽いものの、ツーグリップハンドルに比べると若干重くなる傾向があります。

ツーグリップハンドルは、柄に直接ラバーグリップまたは中空グリップが装着されており、柄を直接握って作業を行うタイプのハンドルです。手首を返す動作で角度を調整できるため、地形に合わせやすく、凹凸がある地面や細かい作業が求められる場所、または木が密集しているエリアや急傾斜での使用に適しています。

ツーグリップハンドルは機動性に優れており、自由度が高いのが特徴です。しかし、ループハンドルと同じく、操作者に刃が近づきやすいため、不適切な使用方法は危険を伴います。

振動については、棹を直接握ることから、振動が最も伝わりやすいハンドル形状となります。しかし、中空グリップの使用など適切な振動対策が施されていれば、ループハンドルよりも振動の伝達は少なくなります。ただし、草刈機の重量を主に腕で支えるため、腕への負担は大きくなります。

※中空グリップとは、ハンドルの内部を空洞にして接地面積を減らし、振動の伝達を抑えたグリップハンドルのことです。

刈払機の刃には多様な種類が存在し、「金属刃」「チップソー」「ナイロンコードカッター」「樹脂刃」と大別されます。各々が独自の特徴を持っています。

金属刃チップソーナイロンコードカッター樹脂刃
概要刃は硬い金属で作られており、ノコギリ状の2枚刃から数十枚刃までの種類が存在します。円盤型の鋸の刃先に超鋼のチップをロウで固定し、研磨加工を施した鋼製の製品です。刈刃はテニスラケットのガットのような紐式のナイロンコードでできており、高速回転させることによって雑草を削り取り、刈り込むものです。樹脂製の小型ナイフ形状のブレードがリールを中心に高速回転し、その動作によって草を切断する装置です。
特徴耐久性に優れ、研磨や目立て、研ぎを行うことで長期間使用可能で経済的です。しかし、重量があります。切れ味が鋭く、太い葉茎の雑草も容易に刈り取れます。しかし、その危険性も増すため、取り扱いには注意が必要です。チップソーは、キックバックや金属片の飛散が少なく、岩や障害物の多い場所での草刈りに最適で、安全性が高いです。主に低木や山林の下草刈り、畦道などに使われます。ただし、小石や枝、雑草の飛散が他の刃よりも起こりやすいため、飛散防護が必要です。また、チップソーを使うにはより強力な刈払機が必要です。キックバックや金属片の飛散が少なく、岩場や障害物が多い場所での草刈りに適しており、安全性に優れています。しかし、小石や枝、雑草の飛散が他の刃よりも発生しやすいため、飛散防護がより重要になります。また、チップソーに比べて刈払機のパワーがより必要です。安全で静かですが、耐久性や切れ味ではチップソーに劣ります。

円盤刃、例えばチップソーや金属刃には、外径230mmと255mmの二つのサイズが存在します。大きいサイズの刃は作業効率を向上させますが、エンジンへの負荷も増加し、結果として燃費効率が低下します。

高負荷での連続作業は機械の故障を引き起こす可能性があります。そのため、適切な刃のサイズ選びが重要になります。

チップソーの規格は、品番の後に数字が付いています。例えば、230×36の場合、「230mmの直径の刃が36枚ついている」という意味です。

刃数が多ければ多いほど、刈り取りはスムーズになると一般に考えられていますが、異なる素材を刈る際には機械への負担が増加する可能性があります。

笹刈刃は通常、30枚または40枚の刃が付いています。その特徴は、チップではなく、回転刃自体に刃が取り付けられていることです。

笹刈り刃の特長は、自分で研ぐことができるためコストパフォーマンスに優れている点です。また、切れ味が鋭く、笹やその他の草を効率的に刈り取ることが可能です。

笹刈刃は、その名が示す通り、笹を刈るために使用される刃です。林業を専門とする多くの方々によって利用され、主に下草を刈るのに適しています。

ナイロンカッターは高速で回転すると、ナイロンコードが遠心力でしっかりと張り出し、その力を使って草を刈ることが特徴です。

ナイロンコードは柔らかい素材なので、コンクリートや木材を傷つけにくいです。そのため、家の周りを丁寧に草刈りする際に最適です。

欧州では、ナイロンカッターがメーカーの標準仕様となっています。欧州メーカーは安全性に厳しく、そのためにこの仕様が採用されているようです。

安全性を重視する欧州では、ナイロンカッターは30ccクラス以上の刈払機が一般的です。これは、ナイロンカッターの使用には大きなパワーが必要であるためです。

午後からは草刈りの安全な作業方法を実践しました。

安全な作業方法のポイントは以下の通りです。

草刈りを行う際には、長袖と長ズボンを着用することが大切です。肌をできるだけ露出しないようにしましょう。草や小石が飛んできて肌に刺さるのを防ぐために、長靴や安全靴を履くことを推奨します。

肩掛けベルトを体にしっかり固定し、刈払機は常に右側に来るようにしてください。利き手に関係なく、この位置で使用することが重要です。肩掛けベルトは刈刃が地面から数センチメートルの高さになるように調整し、腰を使って左右に振るのが容易な、平行な位置に設定します。

全ての草刈機には、緊急時に迅速に機械を取り外せる「離脱装置」が装備されています。緊急時の取り外し方を確認し、実際に一度試してみることが重要です。

草刈り機を使用する際は、特に始動時に刃の位置に注意が必要です。

エンジンが始動すると、アイドリング状態であっても刃は回転を開始します。そのため、刃が地面に触れている状態でエンジンをかけると、予期しない故障や怪我を引き起こす可能性があります。

刃を少し持ち上げておくことで、刃がスムーズに回転し、機械への負担を軽減し、草刈り機の使用をより安全に開始できます。

草刈り機を使用する際は、腕だけではなく全身を使って操作することが重要です。具体的には、草刈り機を腰の高さで持ち、腰を軽く捻りながら、肩幅くらいの範囲で左右に振ることです。この方法で、腕への負担を減らし、体全体に負担を均等に分散させることが可能です。

草刈り作業を行う際に前に進むときは、ゆっくりと歩を進め、足元を確実に確認してください。

この方法で、予期せぬ障害物に衝突したり、転倒する危険性を低減できます。

草刈り機の使用時は、自身の安全はもちろん、周囲の人々の安全にも配慮する必要があります。

特に、草刈り機が投げ出す石やその他の物体が、作業者だけでなく周囲の人々に怪我をさせるリスクがあるため、作業エリアの5メートル以内に人がいないことを確認してください。

作業中に誰かが近付いてきた場合は、直ちにエンジンを止めて周囲を確認し、安全を再確認してから作業を再開してください。

草刈機の回転刃が硬い物や障害物にぶつかると、草刈機が急に右側に跳ね返る現象を「キックバック」と呼びます。

この反動で操作者が制御を失い、大きな事故につながる可能性があります。

刃が地面や隠れた石に接触し、草刈り機に過度の負荷をかけることは、キックバックを誘発し、使用者が怪我をする危険性もあります。

草刈りをする時は、根や石などの障害物がないか慎重にチェックしてください。これらに刃が当たると、キックバックが発生する恐れがあります。

金属製の刃を使用している場合には特に注意が必要です。刃が障害物に当たって跳ね返ると、刃自体が損傷し、さらなる危険を引き起こす可能性があります。

障害物に接触すると飛散物を投げ出したり、刃が損傷する可能性があります。このような事態は、作業者や周囲の人々に危険をもたらし、草刈機にも損害を与える可能性があります。畑や庭での作業時には、大きな石や園芸支柱などの一般的な障害物に注意が必要です。草の成長によりこれらが見えにくくなるため、定期的な点検と清掃が重要になります。

作業を行う際には、関係ない人が近寄らないように注意することが重要です。

草刈り機の騒音や作業への集中により、周囲の人々の接近に気付きにくい状況になります。これにより、予期せぬ接触や飛び石による事故のリスクが高まります。

作業区域は、安全確保のために他人の立ち入りを防ぐことが必要です。

柔らかい草を刈る場合は、スロットルを半分ほど開けるだけで十分です。

これらのことに注意しながら、受講生の皆さんに実践した頂き、無事終了しました。

次回のラボは6月16日に開催されます。

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