「支障木も資源に変える!実践で学ぶ林道作設の知恵と工夫」


1月5日にフォレストリー・ラボ中級コースが開催されました。

今回のラボでは、先月に引き続き、森林作業道の開設について実践を行いました。

森林作業道は、森林の整備や管理に欠かせない重要なインフラです。作設には、さまざまな要素が関わっており、地域ごとの特性に応じた計画が必要です。

1. 森林作業道の重要性

森林作業道は、森林の施業(管理や伐採など)を行うための基盤です。作設にあたっては、以下の点を考慮する必要があります。

  • 安全性: 作業道は安全に利用できることが最優先です。
  • 経済性: コストを抑えつつ、効率的に作業が行える道を作ることが求められます。
  • 耐久性: 何度も使用されることを想定し、丈夫で長持ちする道を作ることが重要です。

2. 土の性質の理解

森林作業道の設計には、土の基本的な性質を理解することが不可欠です。土は、岩石や火山噴出物が風化してできたもので、主に砂と粘土から構成されています。特に、森林作業道に使われる土は、礫、砂、粘土が混ざったものであり、これらの成分の割合や密度、含水比によって性質が大きく異なります。

作業道を建設する際には、現場で使われる土の状態を確認し、転圧や切土を行う際に土の状態を注意深く観察する必要があります。

3. 地形の特徴

森林作業道を作設する際には、地域の地形や地質を把握することが重要です。以下は、特に注意が必要な地形の例です。

  • 崖錐(がんすい): 急な山腹の下に堆積した土砂で、切土を行うと土砂が動きやすく、工事が難しい。
  • 地すべり: 地下水の影響で土が滑りやすくなる現象。
  • 断層: 地層がずれている部分で、崩れやすい特性がある。
  • 扇状地: 谷から平地に出た場所で、土砂が広がって堆積している地形。

これらの地形を理解し、施工地の特性に応じた計画を立てることが重要です。

4. 幅員の決定

森林作業道の幅は、林業機械やトラックの規格に合わせ、安全性を考慮しながら決定します。今回は、軽トラックが通行できるように幅員2.5mを目安にしました。この幅は、森林資源を効率的に活用するためにも重要です。

5. 道路の締固め

森林作業道は、しっかりと締固められた堅牢な土で作る必要があります。締固めの効果には以下のようなものがあります。

  • 沈下の減少: 荷重がかかった時の沈下を減らし、道路の耐久性を高めます。
  • 雨水の浸透防止: 雨水の浸透を防ぎ、土地の軟化や膨張を防ぎます。
  • 侵食防止: 盛土部分で導水施設がない場合、侵食によって道路が欠損する可能性があります。

また、土粒子のかみ合わせを高めることで、道路の強度を向上させることができます。これらの効果を理解し、安全な路面支持力が確保されるように施工に努めます。

6. 切土と盛土の方法

  • 切土: 現場の地形や土質を考慮し、発生土量を最小限に抑えつつ、切土のり面を安定させるように行います。切土のり面の勾配は、土砂がよく締まって崩れにくい場合は6分、風化が進んでいない岩石の場合は3分を基準とします。
  • 盛土: 盛土は、複数の層に分けて、各層ごとに約30cmの厚さになるようにしっかりと締め固めます。土質に応じて、緊結度の高い土砂では基盤を作り、緊結度の低い土砂では路全体に盛土を行います。

7. 支障木の利用

支障木の根株は盛土材料として利用できます。以下の手順で行います。

  1. 周囲の土を取り除き、根株を掘り出します。
  2. 根株を180度回転させ、根が大きな側を斜面上方に向けて配置します。
  3. 事前に掘っておいた盛土部分に根株を運び、外側に配置します。
  4. 根株に土を盛り、転圧します。

この方法により、土が早く安定し、早期に緑化が期待できます。下層の植物はすぐに芽を出して緑化を促進する役割を果たします。

受講生には、線形の決定、支障木の伐木・処理、伐根の埋め戻し、半切半盛などの基本作業を実践していただきました。これにより、森林作業道の開設に必要な知識と技術を身につけることができました。

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