住宅の屋根にかかっている山桜を伐木する依頼がありました。
それに伴い、住宅に支障になりそうな雑木も伐木することになりました
山桜は胸高直径が60cmほどあり、枝も張っています
今回は1.6tのチルホールを用いてけん引伐木しました

チルホールというのは「カツヤマキカイ」の会社の製品名で「TU-16」は林業ではけん引器といえば「チルホール」というほど歴史と知名度があります
ひとサイズ小さい750kgけん引できる「T-7]という商品もありますが、今回は大径木ということで「TU-16]を使用しました
伐木するにあたり、初夏のころ、安全に作業を行うために、灌木や篠竹などの藪を刈る「林床整理」を行いました
実はこの作業をすることが重要です
9月に笠間市で林床整備した様子です
林床整備する前は人が入っていくことも困難な状態です
この状態で伐木作業すると、伐木した木が灌木や下層木のかかる「かかり木」になる恐れがあります
「かかり木」とは、木を切り倒す際に、予定外の方向に倒れずに、他の木に寄りかかってしまう現象を指します。木を伐採する際は、倒す方向を計画し、その方向に向けて切り倒しますが、思わぬ方向に傾いたり、計画した方向と異なる方向に倒れてしまうことがあります。これがかかり木と呼ばれる現象で、特に多くの木が集まっている場所でよく起こります。
過去10年間(2003~2012年)に発生した481件の林業労働災害(死亡事故)のうち、94件が「かかり木」に起因したものです。
かかり木を発生しにくくさせると同時に作業を安全に行くために伐木作業を行う前の林床整理伐とは、これから切っていく立木を伐木するために安全に作業できるように最初に行う作業で、伐木に支障になる灌木、育成する樹木の障害、樹林の美観上問題となる枯れ木やつる植物、常緑低木、ササの林床植物、ゴミなどを除去する作業です
初夏に林床整理伐を行うと、冬には葉が枯れて見通しがよくなり、足元も歩きやすくなります
大径木の伐木する場合、無理にけん引すると立木が裂け上がる可能性があり、非常に危険です
特に広葉樹は「堅木」を呼ばれ、針葉樹「軟木」と比べ、裂けやすいです
立木が裂け上がり伐倒作業者に激突し、死亡してしまう災害が数多く起きています
正しい受け口と追い口を作り、「ツル」の残し方に注意しながら伐木します
「ツル」とは、木を切り倒すときに、「受け口」と「追い口」と呼ばれる二つの切り口を作り、その間に残る部分を「弦(ツル)」といいます。つまり、木を伐採する際には、木の特定の部分を受け口と呼ばれる切り込みで最初に切り始め、その後に追い口と呼ばれる別の切り込みを作り、その間に残った部分が弦です。
つるの役割は、つるを残すことで、木の伐倒方向を正確に操ることができます。つるは、蝶つがいと呼ばれる特定の部分のようなもので、これが受け口の方向に向かって木を倒すのを助けます。
追い口を切りすぎてつるが残らないと、伐倒した木をうまく制御することが難しくなります。つまり、受け口と追い口のバランスが重要で、適切なつるを残すことがコントロールのポイントです。
ツルを残しすぎると、伐倒時に木が裂けやすくなります
その木の枝の張り具合、木の重心など、バランスを見極めながら、樹種に応じたツルを残します
教科書には「残すつるの量は伐根直径の10分の1」なっています。
大径木しかも広葉樹の場合、残すつるの量は伐根直径の10分の1とはいかず、やはり、樹種や木の傾きなどで変えていかなければいけません
特にすぐ近くに住宅などがあり、確実に伐倒方向に倒さなければいけない場合はツルをおおく残しますが、
同時に裂けあがるリスクを考えながら伐木します
今回山桜に立木を2本伐木し、しばらくこのままにして置き、必要に応じて活用したいと思います
