2月18日にフォレストリー・ラボ初級が開催されました


この日の内容は、安全な伐木方法をお教えしました。

まず、間伐するにあたり、間伐するための選木を行います。

間伐とは、植林された木々が成長して密集しすぎたときに、一部の木を取り除いて間隔を調整する作業です。苗木を植えてから15~20年ほどが経過すると、木々が成長し始め、森林内が密集してきます。このままでは木々同士が重なり合い、根が広がりきれず健康な成長が妨げられます。そこで、健全な成長を促すために木々の間引き作業である「間伐」が行われます。

間伐は、林業において不可欠な作業です。この作業により、木々が健康に成長し、高品質な木材を生産することができます。また、間伐木の販売による収入も期待できます。しかし、作業コストや人材・技術者不足などの問題があり、間伐が難しくなっています。間伐により木々の密度を調整することで、残存木の成長が促進され、風雪害や病虫害に強い健全な森林を作ることができます。また、適切な木の間隔を保つことで、林床に光が届き、植生が繁茂し、地表の侵食や土砂流出を抑制することができます。これにより、様々な動植物の生育・生息が可能となり、森林生態系が豊かに育ち、生物多様性が保全されます。間伐は主に秋から冬にかけて行われます。

健康な森林にとって間伐はとても大切です

間伐を行わないと、森林に以下の影響があります。

  1. 光が届かないため、林床が暗くなります。
  2. 下層植生が失われるため、土壌が流出しやすくなり、森林の水源涵養機能が低下します。
  3. 成長するにつれて、樹冠が上方に移動し風を受けやすくなります。結果として、もやし状の森林になります。

間伐を行うことで、森林は以下のような状態になります。

  1. 光が林内に差し込み、木の幹や根が太く発達します。
  2. 下層植生が繁茂し、これによって風害や山地災害に強くなります。また、森林の水源涵養機能や土壌保全機能が向上します。

間伐には、定性間伐と定量間伐の2つの方法があります。

  1. 定性間伐: 選木を重視する方法で、下層間伐と上層間伐に分けられます。
    • 下層間伐: 下層木(劣勢木)を中心に間伐します。
    • 上層間伐: 上層木(優勢木)を中心に間伐します。
  2. 定量間伐: 選木を重視せず、間伐率に基づいて機械的に伐採木を決める方法です。
    • 列状間伐: 列状に間伐を行います。

今回は、下層間伐の選木方法で伐木する立木を決めました

伐木する立木を決定したら、かかり木にならないように「けん引伐倒」するためのの準備をします

かかり木とは、木を伐り倒す際に予定とは異なる方向に倒れて、他の木にもたれかかってしまう状態を指します。伐採作業では、倒れる方向を切り込みで決めますが、切り込みがずれたり、強風が吹いたりすると、かかり木になることがあります。かかり木は非常に危険な状態なので、注意して処理する必要があります。

毎年、かかり木処理中に死亡災害が発生しています。

かかり木になると、完全に倒れていないので、いつ倒れ落ちてくるか予測できません。適切な処理方法がないと、木が思わぬ方向に倒れたり跳ね上がったりする可能性があります。木が普通の状態に見えても、実際には弓なりになって強い力がかかっていることがあります。ベテランでもかかり木の予測外の動きによって被災することがあります。

ラボ初級では、かかり木を避けるためけん引伐倒します。

けん引伐倒とは、けん引器具を使用して伐木方法をで、代表的なけん引器はチルホールというものです。

今回は女性でも持ち運べる軽量なウインチを使い、また持ち運びやすいロープを使ってけん引していきました。

けん引の準備ができたら、伐倒方向を決め、安全確認のための退避場所を決ます。

伐倒する方向を決める際には、気象や場所の状況、そして木の特性などを注意深く考慮して決定します。

退避する際には、つまずかないようにするために、作業する周りをきちんと掃除することも大切です。

そのあと「受け口」「追い口」を作っていきます。

立木を伐採する際、最初に切り込みを入れるのが「受け口」です。受け口は、立木の根元にチェーンソーで真横と斜めに口の形のような切り込みを入れることを指します。立木は受け口側に倒れるため、立木を倒したい方向に向けて受け口を作ることが重要です。

受け口の大きさは、通常、直径の4分の1が基準です。ただし、大径の木の場合は、直径の3分の1以上にします。

受け口を作る際、必ず下切りと斜め切りを一致させるようにします。一致していないと、つるが効かなくなり、思わぬ方向に倒れたり、元が外れて作業者に直撃する可能性があります。

受け口ができたら、「追い口」と呼ばれる切り込みを受け口の反対側から水平に入れます。

追い口は、つるを残すように切り込むことを意識して行います。

つるは、受け口と追い口の間で残された部分で、木を支える役割を果たします。つるにより、伐倒したい方向に木を誘導します。受け口が閉じるとつるが壊れ、つるは、木の根元と樹幹を繋ぎ、木を支える蝶つがいのような役割を果たし、木が切り株から離れます。

つるを残す幅は、通常、直径の10分の1程度残します。ただし、これは基本的な指針であり、樹種や木の傾きなどによって異なります。つるを切りすぎると、木の安定性が損なわれ伐倒方向が乱れる可能性があります。

今回はクサビを使用して伐木する方法をお教えしました。

林業で使われるクサビは、V字に作られた強化プラスチックの塊で、「矢」とも呼ばれます。

木を切る際、クサビには主に2つの役割があります。

  1. 木の切れ目に打ち込んで木を傾ける役割。
  2. チェーンソーの刃が木に挟まれないようにするためのスペースを確保する役割

クサビの使い方は基本的に2本セットで使います。

また、小径木をクサビを使用して伐木する際の追い口を2段切りして使用する方法をお教えしました

安全に伐木した後に、伐倒木の玉切り方法もお教えしました

玉切りとは、立木を伐倒して枝払いが済んだ後、樹幹のサイズや形状、節、腐れなどの欠点を見極め、用途に応じて決められた長さに切断して丸太にする作業のことを指します。

丸太を玉切りする際は、立ち位置に十分な注意が必要です。なぜなら、幹が跳ね上がったり、後ろに投げ出されたりする危険があるからです。切断部の側面から離れて立つことが重要です。斜面の場合は、斜面の下側に立って玉切りしないようにします。完全に切断する前に丸太が転がり始める可能性があり、これによって負傷する危険があります。

玉切りする際は、常に幹の張力を予測する必要があります。状況によっては幹の上部または下部に圧力がかかっている可能性があります。基本技術では、まず、圧力がかかっている側(ガイドバーが挟まると考えられる側)から、丸太の約1/3まで切り込みを入れます。次に、丸太が完全に切断されるまで、反対側に一致する切り口を入れます。

圧縮側とその反対側(引っ張り側)をよく見き分けないと幹にチェーンソーが挟まれて抜けなくなります

玉切り作業中にチェーンソーが丸太に挟まれると、作業が中断されてしまいます。無理に引っ張るとチェーンソーのバーが曲がることもあります。そのため、丸太にどんな力がかかっているのかを常に考えながら作業を行い、チェーンソーが挟まらないように心掛けています。

受講生の皆さんで、どちらが圧縮側でどちらが引っ張り側か検討しながら、玉切り作業を実践していただきましたが

なかなか判断するのが難しく、チェーンソーが挟まれてしまいました、皆さん協力して何とか玉切ることができました

次回のラボは3月17日です

令和6年度フォレストリー・ラボ初級、フォレストリー・ラボ中級の受講生の募集を始めました


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