3月3日にフォレストリー・ラボ中級が開催されました


今回のラボの内容は、午前中「チェーンソー・ミル」を使ったチェーンソー製材のやり方をお教えしました。

製材とは、伐採した木や丸太などを材木へと加工することを指します。材木はさらなる切削や寸法調整を経て、角材や板材などの用材に加工されます。これらの用材は建築や家具に利用されています。

チェーンソー製材は、チェーンソーを用いて製材を行うことを指します。通常、チェーンソーは材木を水平方向に挽くことを想定しているため、垂直方向に挽くことにはあまり適していません(垂直方向に挽く場合は抵抗が大きく、切断時間も長時間に及ぶため、十分に目立てしておくなど準備が必要です)。

チェーンソーで丸太を切る際には、縦に切る「縦引き」と横に切る「横引き」があります。チェーンソーは縦引きが得意ではなく、時間がかかります。

チェーンソーの刃(ソーチェーン)には、横引き用縦引き用の刃があります。横引き用の刃は木材を横方向に切断する際に使用され、縦引き用の刃は木材を縦方向に切断する際に使われます

横引き用縦引き用のチェーンソーの刃(ソーチェーン)には、次の違いがあります。

  1. 横引き用の刃:
    • 木材を横方向に切断する際に使用されます。
    • 上刃目立て角度は通常5〜10°程度に設定されています。
    • 切断面積を少なくして抵抗を弱め、横刃の切削能力を調整しています。
  2. 縦引き用の刃:
    • 木材を縦方向に切断する際に使われます。
    • 縦引きの場合、切り屑も短くなることがあります。
    • 通常、縦引き用の刃は横引き用の刃とは異なる上刃目立て角度を持っています。

刃の形状や切り屑の発生など、縦引きと横引きでは木材の繊維方向に対する違いがあります。チェーンソーの刃は、木の繊維を断ち切る役割を果たすため、縦引きが苦手なのです。

横引き用と縦引き用のチェーンソーの刃(ソーチェーン)には、上刃目立て角度が異なります。具体的には、横引き用の刃は木材を横方向に切断する際に使用され、上刃目立て角度は通常5〜10°程度に設定されています。一方、縦引き用の刃は木材を縦方向に切断する際に使われます。

興味深いことに、この違い以外は横引き用のソーチェーンを縦引き用の角度に調整すれば、別途縦引き用の刃を購入する必要はないようです。

チェーンソー製材機は、チェーンソーを補助して木材を切り出すために使われます。英語では木材を切り出すことを”ミル(mill)”と呼ぶため、チェーンソー製材機は”チェーンソーミル”や”ソーミル”とも呼ばれます。

チェーンソー製材機の仕組みは、アタッチメント的にアルミレールや定規に相当する資材を設置し、その上を水平に倒したチェーンソーを滑らせるように縦挽きします。したがって、その仕組み上、ガイドバー(チェーンソーバー)は少なくとも木材の直径以上であることが求められます。

チェーンソー製材機は、簡易製材機として利用できます。したがって、山林や奥山のような伐採現場では、原木を簡易製材すなわち一次加工することで、搬出費用の削減が期待できます。また、里山では、ログハウスやウッドデッキなどをDIYすることにも使われます。きわめて平らな板や平面にしたい場合には、簡易製材を行った後、カンナなどの工具を使用します。

チェンソー製材機は、簡易製材機として山や森に運ぶことができる点が魅力です。

今回はアルミ梯子を改造したものを治具として使用し、チェンソーミルの使い方をお教えしました。

イチョウの大経木(胸高直径約70cm)の中間の丸太(直径50㎝)のものと(直径30㎝)のものを2種類のタイプのチェーンソーミルを使用して治具の使い方やチェンソーミルのスライドの仕方、注意点などをお教えしながら、受講生の皆さんに実践していただきました。

午後からはチェーンソーアートのカービングの体験をしました

チェーンソーアートのカービングは、チェーンソーを使って木材を彫刻する技法です。

チェンソーアートは、1970年代にアメリカ合衆国やカナダで生まれたと言われています。日本では、2000年代に入ってから盛んになりました。この流れの中で、チェンソーアートの世界的なレジェンドであるブライアン・ルース氏が、2000年に愛知県北設楽郡東栄町でのイベントに招かれたことが大きなきっかけとなりました。その前は、ログビルダーやログハウス職人など一部のプロの間でしか知られていませんでした。

その翌年の2001年には、「チェンソーアート競技大会in東栄」が初めて開催されました。以来、毎年この大会が開催され、関係者の間では「カービングの甲子園」としても知られ、チェンソーアート競技の元祖として認知されています。世界的なチェンソー用品メーカーであるスチール(STIHL)、オレゴン(OREGON)、ファナー(PFANNER)なども協賛し、由緒ある大会として位置づけられています。

チェーンソーアートは、チェーンソーだけで彫刻を作る芸術形態で、世界中にアーティストがいます。

チェーンソーアートでは、仕上がりが粗いと思う人もいますが、プロのレベルになると、彫刻刀などを使った彫像と同様に美しい仕上がりになります。

チェーンソーアートでは、鷹やふくろうなどの猛禽類、馬や熊、龍など、さまざまなモチーフを使います。大型の彫刻でも、チェーンソーを使うことで短時間で作ることができ、これがチェーンソーアートの魅力の一つです。

チェーンソーアートの魅力は、作業工程そのものをパフォーマンスとして楽しむことにあります。大胆に材木を切り詰め、仕上げていく様子は見ている人を魅了し、その光景が印象的です。

プロの繊細な作業には、専用のカービングチェーンソーが使われます。

カービングチェーンソーは、専用のカービングバーが装着されたチェーンソーで、木材を彫刻する技法に使用されます

ガイドバーは、チェーンソーの切削部を構成する金属製のプレートで、ソーチェーンが走って回転することでチェーンソーの刃として機能します。ガイドバーにはいくつかの種類があります。以下に主な種類を紹介します。

  1. スプロケットノーズバー:
    • 先端にスプロケット(滑車ローラー)が組み込まれたタイプです。
    • スプロケットによる回転の補助があるため、切断速度が速い特徴があります。
  2. ハードノーズバー:
    • スプロケットのないシンプルなタイプのガイドバーです。
    • 摩擦が大きく、耐久性が高い特徴があります。
  3. カービングバー:
    チェーンソーのバーの一種で、先端を細く尖らせた形状のガイドバーです。通常はハードノーズバーに分類されますが、最近では小排気量用にラミネートタイプも見られます。カービングバーは繊細な作業に適しており、キックバックも起こりにくい特徴があります。カービングバーが装着されたチェーンソーは「カービングチェンソー」と呼ばれ、チェーンソーアート(チェーンソーカービング)などに使用されます。

今回はチェーンソーアートの講師をお呼びして、受講生の皆さんに実践していただきました。

チェーンソーアートを体験していた後に今年度最後のラボということで、受講生の皆さんに修了書をお渡し、今年度のラボは終了しました

受講生の皆さん本当に一年間お疲れさまでした

また、1年間本当にありがとうございました


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