11月12日に新月伐採をしました


笠間市のEさんの山林で間伐作業をしました

間伐は、森林の成長に合わせて一部の木を切り取る作業で、密度が高くなりすぎた木々を調整します。これにより、光が地表に差し込み、下層の植物が健康に育つ環境が整い、森林の機能が向上します。過密なままにすると、木々がお互いに成長を妨げ、形質が劣化します。間伐によって残った木は健康に成長し、木材の品質も向上するため、間伐は非常に重要な作業と言えます。

間伐を行わないと、森林に以下の影響が生じます。

  1. 光が不足し、林床が暗くなる: 間伐を実施しないと、木々の密度が高まり、光が地面に十分に届かなくなります。これにより、森林の床が暗くなります。
  2. 下層植生の減少と土壌の流出: 間伐が行われないと、下層の植物が十分な光を得られずに消失しやすくなります。これにより、土壌が流出しやすくなり、森林の水源涵養機能が低下します。
  3. 風を受ける樹冠の上方移動: 成長した木々が競合し合うと、樹冠(木の上部)が上方に移動します。これにより、森林がもやし状になり、風が透過しにくくなります。

間伐を実施すると、森林は以下のような特徴を持つようになります。

  1. 光の差し込みによる発達: 間伐によって光が林内に十分に差し込むようになります。これにより、木の幹や根が太く、より発達します。
  2. 下層植生の繁茂と強化: 間伐によって下層植生が十分な光を得て繁茂し、これが風害や山地災害に対する森林の強さを増します。同時に、水源涵養機能や土壌保全機能が向上します。これによって、森林全体の生態系が健康で持続可能なものとなります。

今回は、間伐の中でも強度間伐というものをしました

以前は、各植栽木に対して枝打ちと組み合わせて、年輪幅が均一な材を生産するための間伐が一般的でした。一方で、近年では「公益的機能」の向上を目指した間伐が増えています。これには、より少ない回数で一気に抜き伐りを行う場合もあります。強度間伐は、より効果的な公益的機能を実現するために、より少ない回数で行われる間伐手法と見なされています。ただし、強度間伐は森林に対する影響が強いため、慎重に計画し実施する必要があります。


「強度間伐」には具体的な明確な定義が存在しないことを理解してください。通常、この用語は、従来の「繰り返しを前提とした間伐」とは異なるアプローチを指すものと捉えられます。

具体的な間伐率は、森林の状態や目標によって異なるため、一概に何が「強度」であるかを定めるのは難しいです。しかし、通常、一般的な間伐作業よりもより効果的であり、一回の作業でより多くの効果を得ることが期待されると解釈されることがあります。

重要なのは、強度間伐が森林に与える影響を検討し、適切な計画と管理が行われることです。特に、強度が高いほど森林に与える影響が強くなるため、慎重な実施が必要です。

間伐には様々な方法があり、その中で選ぶ方法によって、主に定性間伐と定量間伐の2つに大別されます。

  1. 定性間伐:
    • 下層間伐: この方法では、下層の木、つまり劣勢な木を中心に選んで伐採します。目的は、上層の優勢な木に光や栄養を提供し、健全な成長を促進することです。
    • 上層間伐: こちらは逆に、上層の優勢な木を中心に選んで伐採します。これにより、下層の木に光が十分に届き、バランスの取れた成長をサポートします。
  2. 定量間伐:
    • 列状間伐: この方法では、選定された列ごとに機械的に一定の割合で木を伐採します。選木の個別の特性を考慮するのではなく、あらかじめ定められた伐採率に基づいて作業が進められます。

これらの方法は、森林の状態や目標によって選ばれ、バランスの取れた森林管理を実現するために重要です。

そして強度間伐の中でも「択伐的間伐」(択伐)を行いました

択伐的間伐は、主に利用のための伐採に焦点を当てた間伐方法です。この手法では、一定径級以上の林木や特定の規格に達した形質と大きさの林木を伐採対象とします。選ばれた木は優勢木や準優勢木であり、そのため、間伐後には元々の準優勢木や劣勢木が残ります。

「択伐的間伐」(択伐)を行った理由は山林の若返りを目的とし、間伐材の有効活用として丸太を材料に小屋を建てたり、チェーンソーアートの材料にするためです

このアプローチは、木材を有効に活用し、同時に森林を健全な状態に保つことを目指しています。伐採された木を建材やアート作品の素材として再利用することで、資源を無駄なく使い、地域コミュニティにも貢献します。択伐的間伐は、持続可能で総合的な森林管理の一環として、資源の効果的な利用を促進しています

間伐後は、様子を見ながら「針広混合林」への転換を検討していきます

「針広混交林」は、その名の通り、針葉樹と広葉樹が混ざり合っている森林を指します。このタイプの森林は、主に以下の2つの方法で形成されることがあります。

  1. 人工針葉樹林と広葉樹の混交: 人工的に植栽された針葉樹(主に針葉樹林)と、自然に侵入した広葉樹が混ざり合った状態を指します。
  2. 針葉樹人工林からの択伐と天然更新: 針葉樹が優勢な人工林を択伐し、その後に広葉樹が天然に更新される過程で、針広混交林が形成されることがあります。

針広混交林はいくつかのメリットを持っています。例えば、林地の裸地化を防止し、植生の多様性を促進して生態系を豊かにするといった利点が挙げられます。生物多様性の向上や土壌の保全など、環境に対するポジティブな影響が期待されます。

さらに今回は「新月伐採」を実施しました

日本の伝統的な木材の伐採において、「木が眠っている」時期に伐採することが重視されています。この「木が眠る」とは、春夏の成長期が終わり、長い冬が始まる11月や12月のことを指します。具体的には、下弦の月から新月に至る1週間程の期間に伐採された木は、最高の「新月の木」になります。

この時期に伐採された木材は「新月の木」と呼ばれ、木材の品質や特性が良いとされています。昔からの信仰や経験に基づく伝承によれば、この時期の木材は虫害が少なく、腐敗しにくいとされ、また建材としての耐久性が向上すると考えられています。

これは木が冬の休眠期に入ることで、樹木の生理的な変化が木材の品質に影響を与えるという古い知識や経験に裏打ちされています。この伝統的なアプローチは、現代においても木材の品質向上や持続可能な森林管理の一環として考慮されています。

オーストリアにおいても「新月の頃に伐った木は虫がつかないし、長持ちする」という言い伝えが昔から存在していました。これは、木の伐採時期が木材の品質に影響を与えるという信仰や経験に基づくものでした。しかし、近代の林業ではこれを迷信と見なし、無視されることが一般的でした。

1996年にエルヴィン・トーマ氏が著書「木とつきあう知恵」を出版すると、このテーマに対する賛否両論が大きな反響を呼びました。その後、チューリッヒ大学での研究が行われ、その結果が実証されると、ヨーロッパ全体で「新月の木」を使用する動きが拡大しました。

科学的な実証が行われることで、伝統的な知識が現代の持続可能な森林管理に組み込まれる可能性が生まれ、環境への配慮や木材の質を向上させる手段として再評価されています。これは伝統的な知恵と現代の科学が結びついて、新たな洞察と実践を生み出す良い例と言えます。

伐木した木は「葉枯し乾燥」を行います

葉枯らし(葉付き)乾燥材は、伐倒した木を枝葉や皮を付けたままの状態で林地に一定期間放置し、枝葉が黄変または赤変して枯れるまで自然乾燥させる木材の製造方法です。このプロセスは、木材中の水分を葉からの蒸散作用によって放出させ、含水率を低下させることを目的としています。

この手法は、木材を自然な状態で、かつ徐々に水分を失わせながら乾燥させることで、木材の品質や特性を向上させることを意味しています。含水率が低い木材は、通常、耐久性が向上し、反りや歪みが少なくなります。また、葉枯らし乾燥によって木材が独自の色合いや風合いを持つこともあります。

葉枯らし乾燥は、古くから各林業地で行われてきましたが、その主な目的は材の乾燥により重量を減らして集運材作業の負担を軽減させることにありました。伝統的には、葉を付けたままの木を一定期間自然乾燥させ、その後に葉を取り除いて加工するという手法が採用されていました。この方法は、木材の乾燥によって重さを減少させ、運搬や取り扱いの際の効率を向上させることが期待されていました。

近年では、その利点に加えて、さまざまな効果が見直されています。具体的には、材色や艶の向上、含水率低下による収縮や割れの減少などが挙げられます。葉枯らしによる乾燥プロセスが木材の品質向上に寄与することが理解され、伝統的な方法が現代の林業においても有益であると認識されています。

来年の秋以降天然乾燥させた杉材で小屋を建てたり、チェーンソーアートのワークショップをしたいと思います


PAGE TOP