現場実践!丸太組を活用した回し場づくり(フォレストリー・ラボ中級)


11月2日にフォレストリー・ラボ中級コースが開催されました。

今回は丸太組を活用した回し場の開設方法についてご説明しながら、実践しました。

「丸太組を取り入れた回し場(転回広場)」は、林業現場ならではの木材活用と構造安定性を両立できる非常に合理的な方法です。
特に地山が弱い谷側や、盛土量を抑えたい場所で効果的です。

1.回し場とは

回し場(転回広場)とは、作業道上で車両(軽トラ、フォワーダ、林内作業車など)が方向転換・積み替え・一時集積作業を行うための広場です。
また、伐出作業中の材積集積点や、緊急時の退避場所としても重要です。

2.設置目的

目的内容
車両の方向転換道幅が狭くても安全にUターンできるようにする
材の一時集積集材後にトラック等で搬出するための仮置きスペース
作業安全性道路の行き止まりや急斜面でのバック走行を防ぐ
緊急時対応機械故障・人員退避時の安全スペース

3.設計の基本条件

(1)設置間隔

  • 100〜150mごとが目安(地形や作業内容によって変動)
  • カーブが続く区間や傾斜が急な場所ではより短い間隔で設けると安全。

(2)設置場所の選定

  • できるだけ地形の緩やかな場所(傾斜15°以下が理想)
  • 外側が谷側ではなく山側に広げられる位置が望ましい(崩壊リスク軽減)
  • 地山が安定している箇所を選ぶ(盛土だけで作らない)

4.形状と寸法

項目推奨値(軽トラ・フォワーダ対応)
直径8〜10m(軽トラ)、12〜14m(フォワーダ)
道路幅(接続部)3〜4m
傾斜横断勾配3〜5%、縦断勾配5%以下
路面材砕石・林地残材敷きなど(排水性確保)

形状タイプ:

  1. 円形(ループ型):広く取れる地形に最適。方向転換しやすい。
  2. T字型:山腹で展開しやすく、施工量が少ない。
  3. ポケット型(片側拡幅):狭い山腹に適し、最小限の掘削で設置可能。

丸太組み回し場とは

回し場の谷側を丸太の組み構造(土留め)で支える方法です。
「木組み土留め」「丸太井桁組み」とも呼ばれ、
山側を削り、谷側を丸太で囲って盛土して水平な転回スペースを作ります。

丸太組み回し場は、自然素材で安全・低コスト・修復容易という大きな利点があります。
伐採現場や山道沿いでの簡易転回場づくりに最適です。

1.丸太組を使う目的

目的内容
盛土の保持丸太を横積みして「土留め壁」とし、盛土の崩壊を防ぐ
材料の現地調達現場伐採材(スギ・ヒノキ等)を再利用できる
施工性の向上人力・小型バックホウでの施工が容易
景観・環境配慮コンクリートを使わず、自然景観に調和する

2.丸太組構造の基本形

回し場に使う丸太組は「木組み土留め」の一種です。
形式は主に2タイプ:

  1. 水平積み(段積み)型
     → 一般的で施工が容易。法尻を安定させる。
  2. 枠組み(格子組み)型
     → 盛土高さが1.5m以上のときに採用。縦横の丸太を格子状に組む。

3.設計・寸法の目安

項目推奨寸法・仕様
丸太径φ20〜30cm
丸太長2.0〜4.0m(地形に合わせる)
盛土高最大1.5mまで(それ以上は二段組み)
横積み段数高さ1mあたり約3〜4段(丸太径による)
控え杭間隔1.0〜2.0m

4.施工手順

① 位置決定・地ならし

  • 現地で地形図と実地勾配を照らし合わせ、掘削・盛土量を見積もる。
  • 谷側を外周とし、地山を削って基礎面を水平に整形
  • 植生・腐植層は完全に除去。

② 基礎丸太(1段目)の設置

  • 外周ラインに沿って水平に転圧した地山上に丸太を設置。

③ 段積み

  • 丸太を交互にずらしながら井桁状に積む(段ごとに約半丸分ずらす)

④ 盛土と転圧

  • 丸太組の背面(山側)から少しずつ土を盛って転圧
  • 1層20〜30cmごとに転圧し、丸太間に土を充填。
  • 盛土材は粒径のそろった良質土が理想。

今回はこれらのご説明をしながら、位置決定・地ならしと基礎丸太(1段目)の設置を行いました。

次回のラボで以降に続きの作業を行います。

次回のラボは12月7日を予定しています。
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