笠間市でクスノキの吊るし切りをしました


1月4,5日の2日間かけて、Hさんお宅のお庭にあるクスノキが大きくなりすぎたため、

枝を落としてほしいとの依頼をいただき、枝落とし作業をしました

クスノキは、アジアの温暖な地域に自生する高木で、常緑の照葉樹です。日本では、特に本州から九州の太平洋側に広く分布しています。クスノキは神社や公園でよく見られ、その美しい姿からシンボルツリーや街路樹として親しまれています。アニメ映画「となりのトトロ」では、トトロが住む大きな木として描かれ、視聴者にも馴染みのある存在となりました。

クスノキは特有の良い香りがあり、その木から取れる樟脳(しょうのう)は防虫剤として使われています。寒冷な地域では育たないことがありますが、一度成長すると寒波にも強く、多様な環境に順応する力があります。クスノキは木材としても使われ、また薬品やアロマとしても利用されるなど、さまざまな用途があります。

クスノキの名前の由来には複数の説があります。一般的な説では、その特有の匂いが「臭し(くすし)」とされ、あるいは「薬の木」が変化したと考えられています。クスノキは古くから防虫、殺菌、解熱の効果があることが知られていました。また、神事を司る木としても重要視されていました。これらの特徴が「奇しき(くしき、くすしき:不思議な)こと」と結びつき、「くすしき」がクスノキの名前の由来となった可能性も考えられています。

クスノキの学名「Cinnamomum」はシナモン(肉桂)に由来し、「camphora」はカンフルを指します。英語では「Camphor tree」や「camphorwood」と呼ばれ、その名前からも分かるように、これはまさに「カンフルの木」です。

クスノキの漢字表記は、「樟」または「楠」です。「樟」には木の印や高く立つ意味があり、一方で「楠」は南方の木を指します。中国では「楠」はタブノキを指し、一方でクスノキには「樟」の字が使われてきました。

クスノキは、太くてしっかりした幹に横に広がる枝が特徴で、自然な形は円蓋形(裾広の卵型)です。風に強く、風に折れずに育つため、時折強風にさらされると、独特で幻想的な形になることがあります。

クスノキの幹は、若い木では緑色でつるつるとした樹皮を持っています。時間が経つにつれて樹皮は褐色に変わり、10年経つと根元の幹の周囲が1メートル近くに広がります。褐色の幹の樹皮はガサガサとした質感で、縦に裂け目が入ります。樹齢が進むと、樹皮の裂け目が盛り上がり、幹の風格が増してきます。また、大きく育つのもクスノキの特徴で、樹高、幹周共に20mを越えることがあります。環境省の全国巨樹・巨木林調査によると、幹回りの太さによるランキングトップ10のうち、6本がクスノキです。

クスノキの葉は光沢があり、美しい緑色をしています。葉の形は楕円形で縁が滑らかで、葉脈は主脈が3つ入った三行脈です。新芽は冬に形成され、4月になると長い卵型の新芽が芽吹きます。これらの新芽は赤みがかっており、新しい葉はグリーンイエローや淡いオレンジ色を帯びています。これにより、クスノキは花のような明るい彩りで彩られ、まるで華やぐ季節のような美しさを見せます。

クスノキは一年を通じて葉を落とさない常緑樹ですが、4月下旬には葉の更新が行われる季節がやってきます。若葉が芽吹くと同時に、赤く色づいた古い葉がたくさん散りばめられ、その様子はまるで生命の躍動を感じさせます。新しいエネルギーと活気がみなぎり、圧倒的な生命力を感じることができる瞬間です。

クスノキの葉には、ダニ室と呼ばれる特徴的なものがあります。これは葉の葉脈の付け根が膨らんでいて、そこにダニが集まる構造です。同様のダニ室を持つ植物にはブナやケヤキなどもあり、これらのダニ室に関する研究が進んでいます。ダニと植物はお互いに利益を得る共生関係にあり、ダニ室では植食性のダニが肉食系のダニによって制御されている可能性が考えられています。

クスノキでは、春の葉が落ちる前にダニ室には主にフシダニ(植食性ダニ)が集まることが調査で明らかになっています。研究によれば、ここに植物に害を与えるダニを閉じ込め、葉が落ちる季節に一緒に振り落とすというシステムが存在している可能性が指摘されています。

クスノキは5月から6月にかけて開花し、クリーム色がかった白い小さな花を咲かせます。新しい葉の脇から伸びた長い軸が円錐の形に分岐して花をつけていくのが特徴です。これらの花は「芳香」を象徴し、淡い香りが漂います。

夏には直径が1cmほどの小さな薄緑色の実がつき、10~11月ごろには美しい紫黒色に実ります。これらの実は鳥が食べて運び、そこかしこで新しい苗が生まれます。

クスノキは独特の香りがあり、公園や神社で剪定されていると、その匂いは100メートル先からでも感じられます。新芽や根も同様に香り、この特有の香りには防虫効果があると言われています。

クスノキの主な用途は、樟脳の生産です。クスノキの樹皮を削り、細かく砕いたチップを煮詰め、蒸留させると、白い結晶の樟脳とクスノキ油(ホワイトカンファー)が得られます。樟脳は防虫効果があり、特に衣類を守るために利用されています。天然の樟脳は化学成分の商品よりも価格が高めですが、その優しい香りが特長です。

クスノキオイル(ホワイトカンファー)は、樟脳の製造過程で得られるオイルです。そのすっきりした香りは気分をリラックスさせ、バランスの良いアロマオイルとして使われます。ただし、やや刺激があるため、長時間使用する際には注意が必要です。妊娠中の方やお子様、てんかんやぜんそくの持病のある方は使用を避けるべきです

クスノキを細かく削ったクスノキチップを布に詰めて、ほんのりした香りを楽しむことができます。これは緩やかなアロマを提供し、同時にゆるやかな防虫効果も期待できるものです。

クスノキに含まれる成分には、鎮痛や殺菌などの効果があり、これがさまざまな医薬品に利用されています。また、樟脳オイルを使ったクリーナーも市販されています。このクリーナーは除菌効果があり、家具のふき掃除やキッチン周りなどで活用できます。


6世紀に仏教が伝わり、各地で仏像が作られるようになった際に、その素材としてクスノキが活用されました。なぜなら、彫りやすく、適切な大きさがあり、さらに防虫・防臭性にも富んでいたからです。この特徴が、仏像制作において大いに生かされました。日本書紀には、流れ着いたクスノキを使って仏像を彫ったエピソードが記されています。その後、より彫刻しやすいとされるヒノキが使われるようになりました。

飛鳥時代に作られた主なクスノキの仏像には、国宝の「弥勒菩薩半跏像」(中宮寺)、救世観音像(法隆寺夢殿)、百済観音像(法隆寺大宝蔵院)などがあります。これらはクスノキ一本で作られた仏像で、特に法隆寺の玉虫厨子にはクスノキの仏像が含まれていますが、全体はヒノキで構成されています。

木材としての用途の一例として、クスノキは鳥居にも広く利用されています。例えば、国の重要文化財に指定されている厳島神社の大鳥居では、クスノキが使用されています。この鳥居の主柱は、全国から見つけられた樹齢600年のクスノキの木材が使われています。主柱を支える4本の袖柱には杉が使われていますが、修復の記録によれば、かつてはクスノキも使われていた時期があります。クスノキの優れた防虫性と腐食しにくい性質が、鳥居においてその特性を生かす役割を果たしています。

クスノキは加工しやすい木材で、磨くと美しい光沢が生まれます。そのため、家具や建具、内装などに幅広く使われています。特にクスノキは防虫効果があり、その特性がタンス作りに適しています。また、クスノキ製のハンガーも存在し、機能的で美しい木材として人気です。

今回は1月のまだ楠が水を吸い上げない時期に切ったため、乾燥しやすく木材として活用するのに適します

切った後は木口の腐れ防止の薬を塗り、吊るし切り作業は事故もなく無事終了しました

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