この日のラボの内容は小型車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育(整地・運搬・積込み用及び掘削用)の運転の業務に係る特別教育の2日目を行いました。
小型車両系建設機械ってなに?
「小型車両系建設機械」とは、工事や林業の現場で使う小さめの重機のことです。たとえば次のような機械が入ります。
- ブルドーザー(地面をならしたり、土を押す機械)
- ホイールローダー(土や砂利をすくって運ぶ機械)
- バックホー(小型ショベルカー)(穴を掘ったり、土をすくい上げる機械)
「小型」と言っても、人が乗って運転する大きさなので、使い方を誤ると大きな事故につながる危険があります。
林業での具体的な活用場面
① 作業道づくり(ブルドーザー・バックホー)
- 新しく道をつけるとき
伐採した木を運び出すには道が必要です。ブルドーザーで山肌を削って道をならしたり、バックホーで斜面を掘って道をつくります。 - 道を整備するとき
雨で道が崩れたりぬかるんだ場所を、ブルドーザーで平らに直したり、排水路をバックホーで掘って水はけをよくします。
② 木材の集積・積込み(ホイールローダー)
- 伐った木を集めるときに使います。
→ フォークやバケットを付け替えたホイールローダーで丸太を持ち上げ、土場(集材場)にまとめます。 - トラックに積み込むときも活躍します。
→ 大きな丸太を人力で積むのは不可能なので、ホイールローダーや小型バックホーで吊り上げて載せます。
③ 土場や作業場の整地(ブルドーザー)
- 木を集める作業場(=土場)をつくるとき、斜面を削って平らにします。
- トラックが入れるように広場を整地するのにも使います。
④ 地ごしらえ・植林の準備(バックホー)
- 伐採が終わったあとの山は、枝や切り株がゴチャゴチャしています。
- バックホーで切り株を掘り起こしたり、枝を集めてまとめることで、植林がしやすい状態に整えます。
- 植林の穴を掘る作業にも使われます。
⑤ 防災や治山の仕事(バックホー)
- 大雨や台風で土砂崩れが起きたときに、土を取り除いて復旧する。
- 小さな谷に簡易ダムをつくって土砂流出を防ぐ。
- 排水路や溝を掘って水害を防止する。
バックホーの運転席での操作手順
バックホーは「掘る・すくう・回す」といった動きを、両手のレバーと両足のペダルで操作します。
(機械によって細かい違いはありますが、一般的な“JIS配列”で説明します)
① 乗り込み・姿勢
- 機械の周りを確認して、安全を確かめてから乗ります。
- シートベルトを締め、背筋を立てて運転席に座ります。
- 両方のレバー(左右に1本ずつ)に自然に手を置きます。
→ 左右のレバーは「両手の腕」と同じように動かすイメージ。
② エンジン始動
- サイドブレーキをかけた状態でエンジンをかける。
- アクセルレバーを低めにして、アイドリングで少し温める。
- 安全ロックレバーを解除して操作可能にする。
③ 基本のレバー操作(ISOパターン)
ISOパターンは、国際標準に近い操作方法で、特にヨーロッパや日本のメーカーの小型機で採用されることが多いです。
特徴
- ISOパターンの特徴は「左レバーがブームと旋回、右レバーがアームとバケット」という分担が決まっていること
- SAEパターンとは左右のレバーの役割が逆になる場合がある
- 国際的に標準化されているので、ISO対応機を運転するときは操作の迷いが少ない
🔹 左レバー(ブームと旋回)
- 手前に引く → ブーム(腕の一番根元)が上がる
- 前に倒す → ブームが下がる
- 左に倒す → 車体が左に旋回する
- 右に倒す → 車体が右に旋回する
🔹 右レバー(アームとバケット)
- 手前に引く → アーム(腕の中間部分)が自分の方に近づく(引き寄せる)
- 前に倒す → アームが前に伸びる
- 左に倒す → バケットが「すくう」動き
- 右に倒す → バケットが「吐き出す」動き
。
🔹 走行ペダル
- 左右のペダルを前に踏む → 前進
- 後ろに踏む → 後退
- 片方だけ踏む → その場で旋回(キャタピラーの戦車のような動き)
バックホー/ドラグショベル レバー操作の基本パターン(メーカー別)
① 日立建機(Hitachi)
- 左レバー:ブーム操作+旋回
- 手前に引く → ブーム上げ
- 前に押す → ブーム下げ
- 左に倒す → 左旋回
- 右に倒す → 右旋回
- 右レバー:アーム+バケット
- 手前に引く → アーム引き寄せ
- 前に押す → アーム前に伸ばす
- 左に倒す → バケットすくう
- 右に倒す → バケットを放す
② コマツ(Komatsu)
- 左レバー:旋回+ブーム
- 手前に引く → ブーム上げ
- 前に押す → ブーム下げ
- 左右に倒す → 旋回(左右同じ)
- 右レバー:アーム+バケット
- 手前に引く → バケットを手前に引く
- 前に押す → アームを前に伸ばす
- 左に倒す → バケットで土をすくう
- 右に倒す → バケットを開く
※日立より「バケット操作の方向が逆の場合」があるので注意
③ CAT(キャタピラー)
- 左レバー:旋回+ブーム
- 左右倒し → 旋回
- 前後 → ブーム上下
- 右レバー:アーム+バケット
- 前に押す → アーム前に伸ばす
- 手前に引く → アームを手前に引く
- 左右 → バケット開閉
④ クボタ・ヤンマーなど小型機
- 小型バックホーは「日立型」「コマツ型」に準じていることが多い
- 操作感覚はほぼ同じだが、左右の倒し方で「バケットが開く/すくう」が逆の場合がある
- 小型機は旋回スイッチやフットペダルで補助されていることも多い
⚠ 注意点
- メーカーによって「同じレバー操作でもバケットが逆に動く」ことがある
- 初めて操作する機械は必ず「空ぶかし+バケットの空運転」で動きを確認する
- 作業道づくりなどで混乱しないよう、機械ごとに操作表を貼るのがおすすめ
④ 実際の作業の流れ(例:掘る → 土を運ぶ)
- ブームを下げる(左レバーを前へ)
- アームを伸ばす(右レバーを前へ)
- バケットですくう(右レバーを左へ)
- アームを引き寄せる(右レバーを手前へ)
- ブームを上げて持ち上げる(左レバーを手前へ)
- 旋回して土を運ぶ(左レバーを左右に倒す)
- 土を落とす(右レバーを右へ倒す=バケットを開く)
⑤ 作業道づくりでよく使う操作
- 山側の土を ブームを下げて削る → すくう → 谷側へ旋回して落とす
- その繰り返しで、少しずつ道幅を広げていく
- 最後に バケットの裏側で押し固める(簡易ローラーのように使う)
⑥ 作業終了
ポイント
- レバーは「急に動かさない、ゆっくり少しずつ」
- 常に周囲を確認(人が近くにいないか必ず見る)
- 掘るときは「力よりもバランス」
林業の現場では、主にバックホーを使って作業道をつくります。
今回の実技教育では、機体重量3トン未満の小型ドラグショベルを使用しました。
午後から学科教育を行い、修了証をお渡しして、小型車両系建設機械の特別教育が終了しました。
次回のラボは10月5日を予定しています。
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