下刈り


下刈りとは、新しく植えた苗木が他の植物との競争に打ち勝つために、成長を阻害する雑草や木を除去する作業のことです。簡単に説明すると、苗木の周囲の邪魔な草を取り除くことで、苗木が十分な日光や栄養を受けられるようにする手入れのことを指します。

下刈りの目的は以下の通りです:
植栽木が迅速かつ健康に成長するようにすることです。これは、植栽木が周囲の雑草によって圧迫されると光合成が阻害されるためです。また、幹の曲がりを防ぐことも目的です。他の植物が植栽木に寄りかかると、幹が真っ直ぐに成長せず曲がりが生じる可能性があるからです。

下刈りを怠ると、新しく植えた苗木が雑草や他の植物によって覆われ、必要な日光や水分を得られないため成長が阻害されます。つまり、下刈りを行わないと、苗木は日陰で水分不足になり、健全に成長しません。

苗木が健康に育つためには、その木の種類や土壌の状態に応じて、雑草や小さな木を取り除く時期が異なります。

通常、下刈りの期間は5~7年とされていますが、これは固定的なものではなく、現地の条件に応じて変わる可能性がありますので、注意が必要です。

下刈りを終える時期は、植栽木が雑草の圧力を受けていないと判断される時です。これは、植栽木が雑草の圧力から自由になった場合、その圧力を取り除く目的で行う下刈りが不要になるためです。

下刈りは、植えた木が大きく成長し、雑草との競争が激しくなる前に重要です。つまり、木が雑草に覆われないうちに行うのです。通常、これらの木が約1.5メートルの高さに達するまで下草刈りを行います。この高さに達すると、木は他の植物よりも太陽の光や水分を直接受け取ることができます。成長期間では、おおよそ5年から7年程度かかることが一般的です。

下刈りは、木本類や多年生雑草の再生力を弱めるために、それらの勢いが最も弱まる時期に実施することが重要です。生育初期には前年の貯蔵栄養分に依存しているため、この貯蔵栄養分が最も少なくなる時期に草刈りを行うと、植物の生命力は徐々に衰えていくことになります。

樹木の種類によって成長の開始、ピーク、衰退の時期がそれぞれ異なり、これは気候や土壌の条件によっても左右されます。そのため、各樹種にとって最適な時期を選んで、作業を進めることが重要です。

通常、下刈りは年に1回行われることが多いですが、クマザサのように急速に成長する植物がある場所では、年に2回行うこともあります。これは、苗木が適切な光と栄養を受け取れるように、クマザサの成長を抑制するためです。

下刈りには、作業範囲に応じて全刈り、筋刈り、坪刈りの三つの方法が存在します。筋刈りと坪刈りは部分刈りとも称され、植栽木の周辺の雑草を除去する坪刈りや、植栽木の列に従って雑草を除去する筋刈りなど、状況に合わせた適切な方法を選ぶことができます。

全刈りでは、シカやカモシカなどの動物による食害を受けるリスクが高まります。

寒冷で雪が少ない地域での全刈りは、植栽木が寒風にさらされて凍害を受けるリスクが高まります。

坪刈りは、植えられた苗木の周囲1メートル四方を四角形や円形に刈り取る作業のことです。これは主に保護を必要とする木に対して行われます。

筋刈りとは、植えられた木の列に沿って帯状に雑草を刈り取る作業のことです。筋刈りには、傾斜方向に刈る「縦筋刈り」と水平方向に刈る「横筋刈り」の二種類があります。通常、横筋刈りが推奨されており、刈り幅は植栽木を中心に1.0メートル以上が望ましいとされています。

部分的な下刈りは通常、労力を減らす目的で行われますが、労力削減が必ずしも保証されるわけではありません。その理由は以下のとおりです:
翌年以降に刈り残した雑草が大きく成長した場合、それらを取り除く作業は手間がかかります。また、刈り残した部分に蔓性植物がある場合、それらを取り除くのも手間がかかります。

部分的な刈り込みを行うと、植栽木がノネズミによる食害を受けやすくなることがあります。これは、刈り残された部分がノネズミの隠れ家になるからです。

下刈りは通常、植栽当年または植栽翌年に行われます。再造林の場合、拡大造林と比較して雑草の成長が旺盛でないことが多いため、植栽当年の下刈りを省略することがよくあります。

下刈りは通常、初夏から真夏にかけての暑い時期に行われる作業です。

夏は、暑さや日差しの強さだけでなく、雑草や低木が以前に蓄えた栄養を消費して成長し、次年度の成長に必要な栄養を蓄積する時期でもあります。この時期に刈り取りを行わないと、雑草や低木を完全に除去することが困難になるため、注意が必要です。

夏に下刈りをする理由の一つは、雑草や低木が過剰に成長すると、本来育つべき植物が覆われてしまい、高温多湿の条件下で弱って枯れてしまうリスクがあるからです。

年に1回の草刈りは7月下旬から8月中旬に実施されます。年に2回行う場合、第1回目は6月下旬から7月下旬に、第2回目は8月中旬に実施されます。

年に一度の作業であれば、7月頃に行うことが最も効果的です。木本、多年生草本、ササ類などを刈り払う場合、7月は前年からの蓄えた養分を使い果たしている時期にあたります。このため、刈り払い後の植物の再生力が弱まっており、この時期に作業を行うとより効果が期待できます。

年に2回の下刈りを行う場合、最初の下刈りは6月の初旬から中旬に、次の下刈りは8月の初旬から中旬に実施すると良いでしょう。これは、樹木の高さが低く保たれ、雑草の成長が盛んな時期に対応するためです。

苗木が小さい間に早めに草刈りをすることは重要です。その理由は以下の通りです:
苗木が小さいと、雑草に覆われやすくなります。
また、雑草が大きいと、苗木を誤って傷つけるリスクが高くなります。

下刈りを遅らせると、その効果は低減します。これには以下の理由があります:
遅れが生じると、雑草が植栽木に対して長期間圧力をかけ続けます。
また、遅れると、下刈り後の植栽木の成長可能期間が短縮されます。

下刈作業を省力化する方法として、「高足刈」という手法が存在します。これは植栽木の周囲に生える草本類を地面すれすれで丁寧に取り除く「地際刈り」よりも簡単で、刈り払いを草の上部(地面から30㎝から50㎝以上のところ)の高さで行うものです。
高足刈りの利点は、下刈り作業の労力を軽減することにあります。植栽木の梢端部を植生から突き出る高さで刈り取ることができ、傾斜地では地面から刈る必要がないため、無理な姿勢を取らずに済みます。また、地面から刈らないので、石やその他の小物が刃に当たることが少なく、刃の摩耗によるメンテナンス時間が短縮されます。上方向への成長が促進されるため、短期間で保育作業を完了する可能性もあります。
高足刈りのデメリットには、下刈りを省略することで植栽木の成長が抑制される点があります。下刈りを初期・中期に省略すると、植生の回復が進み、植栽木の成長が低下します。また、高い位置に残された植生が歩行時の障害となり、視認性も低下します。

下刈りは造林作業の中でも特に労力を要し、真夏の厳しい暑さの中で行われるため、非常に過酷です。熱中症や虫刺されのリスクも伴います。

作業では主に刈払機を使用しますが、場所の条件や安全を考慮して草刈鎌を使うこともあります。

刈り払い機を使用する際には、緊急離脱機構付きのハーネスタイプ肩掛けバンドを必ず装着してください。

刈り払いを行う際は、適切な刈刃を使ってください。 また、U字ハンドルを使うことが推奨されます。

刈払機を使用する際は、基本的な持ち方、運搬方法、操作手順を遵守しましょう。特にキックバックには注意が必要です。さらに、株元や枯れ枝などにも注意を払いながら作業を行いましょう。

作業を行う際には、互いの位置を意識し、作業の間隔を十分にとり、お互いが5メートル以内に接近しないように注意します。

林地を移動する際は、転倒や転落に気を付けてください。

斜面で落石が発生する可能性があるため、上下作業にならないようにしてください。

接近する際は、刈払機のエンジンを切り、刃の回転が完全に止まってから近づきます。

刈払い作業は通常、斜面を等高線に沿って移動しながら、下から上へと進められます。

できるだけ低い位置で刈払いを行い、腰より高い位置での作業は危険なので避けます。

下刈りをする際には、苗木を傷つけないよう注意し、地面に近い部分から刈ることが基本です。苗木が見えづらい時は、数回に分けて刈ることで、苗木がより見やすくなります。苗木の周囲に草が残らないように、地面にそって慎重に刈り取ることが大切です。

刈り取った雑草が植栽木を覆っている場合、それを除去します。植栽木の上部が覆われていないように、特に注意を払います。

絡まったツル類は、造林木の根元から切り取り除去します。

林縁で作業を行う際は、標識や獣害防止ネットを損傷しないよう注意します。

熱中症には特に注意が必要です。特に、日陰がなく暑い場所で作業をする際には、十分に気をつけましょう。

作業をする際には、こまめに休憩を取り、水分を補給してください。体調不良を感じたら、直ちに作業を中断し、涼しい場所で休息をとってください。


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