6月1日にフォレストリー・ラボ中級が開催されました。今回ののラボでは、「刈り払い機の分解・清掃、メンテナンス」をテーマに、実機を使った実践的な講習を行いました。普段何気なく使用している刈り払い機ですが、構造や仕組みを理解し、適切に手入れを行うことで、故障の予防や機械の寿命延長につながります。
キャブレターの構造と種類について
まずは、見本となる刈り払い機を使って、キャブレターの構造と役割についてご説明しました。
キャブレターは、燃料と空気を適切な割合で混合し、エンジンに送る役割を担う非常に重要な部品です。電気を使わず、タンクから送られる燃料を霧状にして空気と混ぜ、エンジンの吸気管に供給する「気化器」とも呼ばれます。
キャブレターには主に以下の3種類があります:
- ロータリーバルブ式:現在の刈り払い機で主流のタイプで、性能が安定しており扱いやすい反面、構造がやや複雑なため定期的な点検と清掃が必要です。
- ピストンバルブ式:古いタイプの機械に多く見られ、山林作業向けの上級者向け仕様です。構造が複雑で修理費がかさむ場合があります。
- フロート式:農機具に広く使われるタイプで、構造がシンプルなためメンテナンスがしやすく、経年劣化にも比較的強い特徴があります。
用途や環境に応じて適切なキャブレターを選ぶことが重要です。
キャブレターの分解と清掃
キャブレターは非常に繊細な部品で、古くなった燃料を放置すると、内部の通路が詰まりエンジンの不調や始動不良を引き起こします。
今回は、キャブレターのオーバーホール(分解・清掃・再組立て)を一人ひとりが実践しました。分解の際は、作業の手順を記録しておくため、写真を撮ることをおすすめしています。
作業手順は以下のとおりです:
- エアクリーナーの取り外しと清掃
キャブレターを外す前に、まずエンジンに取り込む空気をきれいにするエアクリーナーを掃除します。刈り払い機にはスポンジタイプのフィルターが多く使われており、軽度の汚れはエアブローで、重度の汚れはパーツクリーナーで洗浄します。 - キャブレターの取り外しと分解
本体からキャブレターを外し、下部のプライマリーポンプやパージボディなどを順に取り外します。内部には燃料の流れを制御する「ダイヤフラム」というゴム製の部品があり、これは数年ごとの交換が推奨されます。ガスケットがキャブレター本体に張り付いている場合は、無理に剥がさず注意深く扱うことが大切です。 - キャブレター内部の清掃
内部には細かな燃料の通路が多数あり、キャブレタークリーナー(泡タイプが推奨)を使用して丁寧に洗浄します。その後、パーツクリーナーやエアブローで仕上げ、清掃完了となります。 - 消耗品の交換と再組立て
清掃後は、劣化しやすいガスケットやダイヤフラムなどの部品を新しいものに交換します。部品には互換性の違いがあるため、購入時には適合品をしっかり確認することが重要です。
組立ては分解の逆の手順で行い、部品の向きなどに注意しながら、しっかりと元に戻していきます。
最後に、エンジンが暖まった状態でアイドリング調整を行い、エンジンが安定して動作するか確認しました。受講者の皆さんには、ご自身の機械を使って一連の作業を実践していただきました。
ギアケースの構造とグリス補充
キャブレターの整備に続いて、刈り払い機のギアケース(ギアボックス)についても分解・整備を実践しました。ギアケースは、エンジンの回転を刃に伝える重要な部位で、内部にかさ歯車が入っており、潤滑のために専用のグリスが封入されています。
グリスは長期間使用すると劣化し、潤滑性が失われるため、25~50時間使用ごとの点検・補充が推奨されています。
ギアケース側面のグリス注入口から、グリスガンなどを使って補充することで簡単にメンテナンスが可能です。可能であれば、ギアケースを外して古いグリスを抜き、新しいグリスに入れ替えると理想的です。
今回も受講者ご自身の刈り払い機を使い、ギアケースの仕組みとメンテナンス方法を体験していただきました。
リコイルスターターの構造と交換方法
講習の最後には、刈り払い機の始動に欠かせない「リコイルスターター」についてご説明しました。
スターターロープを引くことでエンジンを回す仕組みで、内部にはバネやプーリーが組み込まれています。スターターが戻らなくなったり、ロープが切れたりした場合は、部品の交換が必要です。基本構造と交換方法を丁寧にご紹介しました。
今回の講習では、刈り払い機を安全・快適に使い続けるための基礎知識と実践技術を身につけていただきました。「自分の道具を自分で整備できる」ことは、安全管理の第一歩です。今後の作業にもぜひ活かしていただければと思います。
次回のラボは7月6日に開催されます。
あなたにぴったりのチェンソーや刈り払い機の選び方から始めて、使い方やメンテナンス方法、安全な取り扱い方法、効果的な作業手順など、必要な知識と技術を一から丁寧に教えます。特に、危険性のある作業だからこそ、安全で確実な技術を身につけることを重視しています。
初めてチェンソーや刈り払い機を使う女性の方でも、安心して木の切断作業を行えるよう、分かりやすく丁寧にサポートいたします。あなたのニーズや目標に合わせたカスタマイズされた指導を通じて、自信を持って作業に取り組むことができるようお手伝いいたします。
また、フォレストリー・ラボでは、伐木などの業務特別教育と刈り払い機の取り扱い安全衛生教育も提供しており、これらの教育を修了された方には修了証をお渡ししています。この学んだ知識や技術は、本業としても、副業としても有効に活用できます。
さらに、基本技術から応用へ中級者のための超実践的林業実践講座として、「フォレストリー・ラボ 中級」では初級で得た知識と技術を応用し、さらに難しい技術を実践していきます。チェンソーのキャブレターの分解・清掃、昇柱器と使った木登り、大径木の伐木など本業として使える技術を習得できます。また、里山資源を活用できるように軽トラックが入れる幅の作業道開設の基本をお教えします。
また、フォレストリー・ラボ 中級の中で小型車両系建設機械の安全衛生教育行い、受講された方には修了書をお渡ししますのでここで学んでいたことを本業としても副業としても活用していただけます。
見学したい方は、お気軽にお問い合わせください。
